【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|好事魔多し。等々力2連戦で払った高い授業料

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年10月17日

試合翌日、選手だけでミーティングをさせた。

2点を先制したものの、3失点を食らって逆転負け。ピッチ上での一体感が足りないように思い、試合翌日には選手だけでミーティングをさせた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 試合の翌日、「あの状況で『自分たちが何をしたかったのか』と『実際に何をできたのか』を擦り合わせてごらん」と伝え、負傷などで離脱している者も含めて選手だけでミーティングをさせた。
 
 もちろん冒頭には私から布陣変更などの狙いを話した。それでも、「実際にプレーするのはお前たちだ」と。なぜかと言えば、ピッチ上での統一感が足りないように感じたからだ。
 
 例えば「前からプレスを掛けたい」と前線は考えているが、後ろは「ラインを上げられない」と状況を分析しているかもしれない。川崎戦では“やりたいこと”と“実際にやれること”の齟齬があったと思う。
 
 82分、エウシーニョに1点を返された時に何人かの選手で話をしたようだが、普段よりもバラバラッとした雰囲気で再開してしまった。その結果として何が起こったかと言えば、キックオフ後にすぐに相手ボールにされてしまい、その流れで小林悠に同点弾を食らったのだった。
 
 対する川崎は違った。ルヴァンカップ準決勝の第2戦、奈良竜樹の退場後にヨシ(中野嘉大)のゴールで1-2となると、すぐに全員が集まった。「こう戦おう」という意思統一をしたのだと思うが、恐らくそれはベンチからの指示ではなく、自発的に行なったものだと思う。
 
 全員で擦り合わせるか、合わせないか。時間にすればたった1、2分もないかもしれないが、その差はすごく大きい。
 
 もちろん、主将の(富田)晋伍が負傷離脱中でピッチにいなかったのも影響はあっただろう。経験値の高い選手が足りなかったのかもしれない。キャプテンマークを巻いている(大岩)一貴は「俺がその役目を果たすべきだった」と思っているはず。だからこそ、この経験が、彼をより一層成長させるのだ。
 
 なんにせよ、等々力陸上競技場の2連戦では高い授業料を払う結果になった。「無駄に高かった」としないためにも、そこでの学習をしっかりと血肉にしなければいけない。
 
構成:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は10月21日に行なわれる30節・清水戦の予定。お楽しみに!
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