【識者の視点】“小さな反乱を起こせる”小林祐希はハリルに重要なヒントを与えたか

カテゴリ:日本代表

加部 究

2017年10月08日

ピッチ上には日本の時間を創り出すためのリーダーが必要だが……。

 また小林自身も、日本代表でのやり易さを満喫したはずだ。数年前の小林は「オフ・ザ・ボールの動きでフリーになる」ことを課題としていた。一方でヘーレンフェーンでは、自分で仕掛けることを最優先するタイプばかりなので、フリーでサポートをしても滅多に見てもらえない。本来自分で表現したいハイテンポでボールを動かす崩しは望むべきもないが、この日はノンストップで流した汗がほとんど無駄にならず、そのままチームの活力になった。
 
 昨夏にオランダに渡り、アンカー的な役割を託された。フィジカルが弱いと見られがちな日本人選手には珍しいケースだが、おそらくゲームを読みバランスを取る頭脳を買われたはずだ。少なくともその点で、所属チーム内に代えの効く選手はいない。ただしハリルホジッチ監督は、小林を攻撃的MFとして招集し、ボランチ起用は想定していない。このハンディは決して小さくないが、ニュージーランド戦では難局を切り拓く賢明さと意思を示し、指揮官に重要なヒントを与えた可能性がある。
 
 本大会での日本の立ち位置を考えれば、ハリルホジッチ監督がキックオフ時の4-2-3-1(※あるいは4-2-1-3)を採用するとは考え難い。ただし反面、リアクションの時間が長引けば、跳ね返し切れなくなる相手が大半だ。やはりピッチ上には、日本の時間を創り出すためのリーダーが要る。もちろん長谷部誠や柴崎岳も有力な候補だが、小林のように勝つために決然と小さな反乱も起こせるタイプの方が適任かもしれない。
 
文:加部 究(スポーツライター)

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