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カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2017年10月07日

「武藤には期待していただけに…」

仕掛けの遅さが目立った武藤。ポテンシャルは間違いないだけに、しっかりと反省して成長してほしい。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 選手個々に言及するのであれば、武藤嘉紀を取り上げたい。せっかくチャンスを与えてもらったのに、ボールを収めて前を向いた際の仕掛けが、あまりにも時間が掛かっていた。頭の中を整理できていない。相手最終ラインの状態、自分のマーク、カバーに入るDFの位置を把握できていたのか疑問だ。
 
 それを瞬時に読み取り、内に入るのか縦に行くのかを決めるのがサイドプレーヤーの役割。そこが遅いので、左サイドを制圧できなかった。ポテンシャルを認めているからこそ、彼のプレーにはもどかしさを感じてしまった。
 
 その点で良いお手本となったのが乾貴士だ。このドリブラーは事前準備がしっかりとできているから、パスが足下に入った瞬間にDFへと突っ掛けて行ける。それをしながらでも周囲を冷静に見渡せていて、相手を引き寄せて味方を使うなど、しっかりと悪い流れを変えてみせた。
 
 左ウイングには原口元気というライバルがいるものの、「リズムを変える」という部分では乾に軍配が上がる。実際に乾が投入されてから長友の良さが生かされた。左サイドで脅威になれるから、相手は左に寄らざるを得ず、右サイドの酒井宏樹がオーバーラップしやすくなる。
 
 決して武藤を貶めているわけではない。武藤と乾では特長が違う。それでも、起用されたポジションに求められる仕事は最低限こなしてほしいという要求だ。
 
 先ほども言ったが、武藤には大きな期待を抱いている。あれだけのフィジカルの強さがあり、スタミナとスピードを兼ね備え、強烈なシュートも打てる。屈強なDFが揃うブンデスリーガでもヘディングで得点を奪えてしまう。
 
 持っているモノは間違いない。所属クラブでは中央でプレーし、ストライカーとしての資質も開花し始めている。だからこそ、左でも中央でもプレーできるメリットを示してほしかった。それができれば、指揮官としても手札が多くなり、シチュエーション別の戦術も幅が広がる。
 
 ロシア・ワールドカップのメンバーに残ってほしいメンバーのひとりだ。彼には今日のゲームをしっかりと反省して、もうひと皮剥けた姿を披露してもらいたい。

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