ルヴァン杯の存在意義を問う①――「欧州プレシーズンに便乗した新たな大会の創設を」

カテゴリ:Jリーグ

西部謙司

2017年10月03日

存在意義、興行面、過密日程の緩和、いずれを考えてもベターな方法がある。

ルヴァンカップの大会方式を変更するならICC(写真)がヒントに。〝夏フェス〞のような発展はありだ。(C)Getty Images

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 今年の夏はボルシア・ドルトムントとセビージャが来日し、Jリーグ勢と親善試合を行なった。新シーズンへの準備を始めたばかりの両クラブは本調子とは言えなかったが、それでも随所に高い実力を見せつけていた。対戦したJリーグの選手たちも刺激になったはずで、こうした試合を組むこと自体に意義がある。
 
 日本以上に暑い中国やシンガポールにやって来るビッグクラブがあるのだから、数を集められないことはないはずだ。例えばJ1の18チームを2チームずつの9グループに分け、 各組に招待チームをひとつずつ入れる。3チームの総当たり戦で、そこから先は無理にチャンピオンを決める必要はない。ICCで採用されているポイント制でいいだろう。
 
 ただ、1チームあたりの試合数は2なので、ルヴァンカップで保証されている最少6試合(グループステージ)には4足りない。不足分を観客動員でどれだけ補えるかだが、それでも開催意義はあるし、過密日程の緩和にもつながる。サマーブレイクを少し長めに設けなければならないが、とりわけシーズン終盤の負荷は間違いなく軽減されるはずだ。
 
 ヨーロッパのチームにとっても、この時期のスパーリング相手としてJリーグ勢はちょうどいいだろう。ICCがこの先もアジア諸国で開催されるなら、その前のキャンプ地としての地位を確立してしまえばいい。
 
 開催方法は一案にすぎず、もっといいアイデアがあるかもしれないが、ともあれリーグカップを続けていくよりも、存在意義、興行面、過密日程の緩和、いずれを考えてもベターではないか。真剣勝負感はなくても、〝サッカーの夏フェス〞のような形で発展させていけば、面白いと思う。
 
文:西部謙司(サッカージャーナリスト)
 
※『サッカーダイジェスト』9月14日号(8月24日発売)「THE JUDGE」より抜粋
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