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【小宮良之の日本サッカー兵法書】ハリル流リアクション戦術を来夏のロシアでも通用させるために

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年09月27日

要所にインテリジェンスの高い選手を配置できるか

この連載でも幾度か訴えているように、長谷部の代わりとなる存在を探し出すこと、あるいは彼の不在をカバーできるような戦い方の構築が急務である。 写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 多様性、順応性に欠けることは、拭い去れない不安として残る。
 
 例えば、ハリルジャパンはボランチ(もしくはアンカー)の長谷部誠が抜けるだけで、戦術としてはほとんど機能していない。
 
 今年3月のUAE戦、タイ戦は、「勝っただけ」という試合内容。まともにボールをゴール前に運べていない。6月のイラク戦は、勝利すらもおぼつかなかった。W杯で戦う相手を考えれば、スパーリングパートナーとしても力量不足の相手に、凡庸な試合に終わっていたのである。
 
 ハリルホジッチ監督がリアクション戦術を選択することは、代表監督として当然の権利だろう。リアクション戦術が“絶対的な悪”というわけでもない。まずはデュエルにおいて勝利を、というのもひとつの発想だ。
 
 しかし、戦術を十全に運用するのには、要所にインテリジェンスの高い選手を配置する必要がある。さもなければ、たったひとつのデュエルで綻びが出ただけで、日本は逆境に立たされる。
 
 リアクション戦術の弱点のひとつは、先制されると苦しいという点にある。相手を待ち受け、そこに隙を探すだけに、(相手が)負荷をかけて攻めてきてくれなければ、活路を見出すことができないのだ。
 
「基準となる試合」
 
 ハリルホジッチ監督は、W杯出場を決めたオーストラリア戦について語った。ベースとしては悪くない。しかしW杯で対戦する相手は、ボールを握る力も、持ち運ぶ力も、こじ開ける力も強いはずだ。
 
 10月にはニュージーランド(6日)、ハイチ戦(10日)、11月には海外遠征が予定されている。
 
 どこが相手であれ、戦術の精度を上げる一方、バリエーションを試すことはできる。W杯に向け、ひとつの試合も無駄にはできない。

文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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