近年、実績らしい実績を残したのはモラタくらい。
もっとも、カンテラ出身のストライカーがこのクラブで成功を勝ち取るのは、極めて難しいという事実から目を背けるわけにはいかない。1990年代以降で大きな功績を残したストライカーは、ラウール・ゴンサレスくらいのものだ。
自他ともに認める世界最高のクラブであるマドリーには、つねに超一流の外国人CFが在籍していた。ダボル・シュケル、プレドラグ・ミヤトビッチ、ロナウド、ルート・ファン・ニステルローイ、ゴンサロ・イグアイン、そして現在のカリム・ベンゼマ……。そんな環境下で、実績に乏しい若いストライカーがのし上がっていくのは至難の業である。
ジダン、ロナウド、ルイス・フィーゴらを擁し、銀河系選抜と謳われた2000年代初頭から半ばにかけて、チームにはハビエル・ポルティージョというカンテラ出身の若い点取り屋がいた。
ラウールが保持していたマドリー・カンテラの最多得点記録を打ち破った逸材で、02年3月、19歳の時にチャンピオンズ・リーグでトップデビューを飾ると、2年目の02-03シーズンにはリーガで10試合・5得点、コパ・デル・レイで5試合連続の合計8ゴールと鮮烈な活躍を見せ、一躍ラウールの後継者と持て囃された。
しかし、その後は鳴かず飛ばずで、レンタル生活を経て06年夏にヒムナスティックに放出。09年からは下部リーグでのプレーを余儀なくされ、15年12月に2部B(実質3部)のエルクレスで現役を引退した。
このポルティージョのように、マドリーという分厚い壁にはね返されたカンテラ出身のストライカーは何人もいる。この10年ほどでは、ロベルト・ソルダード(現フェネルバフチェ)、アルバロ・ネグレド(現ベジクタシュ)、アルベルト・ブエノ(現ポルト)、ロドリゴ(現バレンシア)らの名前が代表格として挙がる。
久々に出現した大器と言われたヘセ・ロドリゲスも、散発的には存在感を放ったものの結局生き残れず、昨夏にクラブを去った(現在はストークに所属)。
近年、実績らしい実績を残したのは、昨シーズン、チーム2位の15ゴールを挙げたアルバロ・モラタくらいのものだろう。だがそのモラタも、BBC(ガレス・ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド)がいるかぎりレギュラーにはなれないと悟り、この夏にチェルシーに新天地を求めている。
はたしてマジョラルは、先人たちが越えられなかった壁を越え、10歳から過ごす愛するクラブで成功を掴めるだろうか。
イスコやアセンシオのように天賦の才に恵まれているわけではない。ストライカーとしての資質も、ヘセやモラタに劣るだろう。しかし、世界的名手に囲まれてもまったく気後れせず、積極果敢にゴールにアタックする姿からは、「絶対に成功してみせる」という気概が感じられる。
今の姿勢を忘れずガムシャラに突き進めば、スター軍団の中で自分の居場所を見つけられるかもしれない。背番号21の今後に注目だ。
自他ともに認める世界最高のクラブであるマドリーには、つねに超一流の外国人CFが在籍していた。ダボル・シュケル、プレドラグ・ミヤトビッチ、ロナウド、ルート・ファン・ニステルローイ、ゴンサロ・イグアイン、そして現在のカリム・ベンゼマ……。そんな環境下で、実績に乏しい若いストライカーがのし上がっていくのは至難の業である。
ジダン、ロナウド、ルイス・フィーゴらを擁し、銀河系選抜と謳われた2000年代初頭から半ばにかけて、チームにはハビエル・ポルティージョというカンテラ出身の若い点取り屋がいた。
ラウールが保持していたマドリー・カンテラの最多得点記録を打ち破った逸材で、02年3月、19歳の時にチャンピオンズ・リーグでトップデビューを飾ると、2年目の02-03シーズンにはリーガで10試合・5得点、コパ・デル・レイで5試合連続の合計8ゴールと鮮烈な活躍を見せ、一躍ラウールの後継者と持て囃された。
しかし、その後は鳴かず飛ばずで、レンタル生活を経て06年夏にヒムナスティックに放出。09年からは下部リーグでのプレーを余儀なくされ、15年12月に2部B(実質3部)のエルクレスで現役を引退した。
このポルティージョのように、マドリーという分厚い壁にはね返されたカンテラ出身のストライカーは何人もいる。この10年ほどでは、ロベルト・ソルダード(現フェネルバフチェ)、アルバロ・ネグレド(現ベジクタシュ)、アルベルト・ブエノ(現ポルト)、ロドリゴ(現バレンシア)らの名前が代表格として挙がる。
久々に出現した大器と言われたヘセ・ロドリゲスも、散発的には存在感を放ったものの結局生き残れず、昨夏にクラブを去った(現在はストークに所属)。
近年、実績らしい実績を残したのは、昨シーズン、チーム2位の15ゴールを挙げたアルバロ・モラタくらいのものだろう。だがそのモラタも、BBC(ガレス・ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド)がいるかぎりレギュラーにはなれないと悟り、この夏にチェルシーに新天地を求めている。
はたしてマジョラルは、先人たちが越えられなかった壁を越え、10歳から過ごす愛するクラブで成功を掴めるだろうか。
イスコやアセンシオのように天賦の才に恵まれているわけではない。ストライカーとしての資質も、ヘセやモラタに劣るだろう。しかし、世界的名手に囲まれてもまったく気後れせず、積極果敢にゴールにアタックする姿からは、「絶対に成功してみせる」という気概が感じられる。
今の姿勢を忘れずガムシャラに突き進めば、スター軍団の中で自分の居場所を見つけられるかもしれない。背番号21の今後に注目だ。