代表監督も目を細める前線での活躍ぶり

ドイツ代表の前線の世代交代もスムーズに進みそうであり、レーブ監督にとってもヴェルナーの存在は非常にありがたいものであろう。写真はノルウェー戦でゴメス(左)との交代時。 (C) Getty Images
愛すべきチームに問題が起きた時、困難に陥った時に、助けとなるべく立ち上がるのが真のファンなのだろう。月曜日にシュツットガルトで行なわれたノルウェー戦では、試合前から彼らには力が溢れていた。
試合前、「フェアでリスペクトのある応援をしよう!」と呼びかけられていた5万人以上のファンは、心を込めて、ピッチへメッセージを送った。俺たちがついている、俺たちが守ってみせる、と。
声は間違いなく届いただろう。ヴェルナーは、ゴールというかたちでそれに応えてみせた。それも2つ! 素晴らしい動きで、ゴールネットを揺らしたのだ。
「代表でも、ゴールを積み重ねることができて嬉しい。また、ここでプレーできたのは特別だった。こんなに温かく迎え入れてもらえるなんて……。シュツットガルトは僕の故郷であり、ここで僕は大きくなったから、その意味は大きい。プレーで恩を返すことができて、2倍嬉しいよ」
喜びの言葉が、各紙の紙面に躍った。
代表監督ヨアヒム・レーブは、ヴェルナーの活躍に目を細めた。
「相手が困難に陥るプレーをしてくれる。ゴールへのコース取りが素晴らしく、スピードもある。彼を止めるのは非常に難しい。常に横に斜めへと動き、我々のコンビネーションサッカーに非常に合っている。彼の動きがあるから、守備陣からのパスも活きてくる。この調子でいくことを祈っている」
ミロスラフ・クローゼが引退し、マリオ・ゴメスがベテランとなったドイツ代表では、FWの人材難が指摘され続けている。
だが、ボールを引き出し、守備で汗をかき、チャンスメイクもできて、何より得点力が高いというストライカーの登場は、W杯連覇を狙うドイツにとって大きな希望となるだろう。そして、ヴェルナーを力強くバックアップしたファンにとっても……。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
試合前、「フェアでリスペクトのある応援をしよう!」と呼びかけられていた5万人以上のファンは、心を込めて、ピッチへメッセージを送った。俺たちがついている、俺たちが守ってみせる、と。
声は間違いなく届いただろう。ヴェルナーは、ゴールというかたちでそれに応えてみせた。それも2つ! 素晴らしい動きで、ゴールネットを揺らしたのだ。
「代表でも、ゴールを積み重ねることができて嬉しい。また、ここでプレーできたのは特別だった。こんなに温かく迎え入れてもらえるなんて……。シュツットガルトは僕の故郷であり、ここで僕は大きくなったから、その意味は大きい。プレーで恩を返すことができて、2倍嬉しいよ」
喜びの言葉が、各紙の紙面に躍った。
代表監督ヨアヒム・レーブは、ヴェルナーの活躍に目を細めた。
「相手が困難に陥るプレーをしてくれる。ゴールへのコース取りが素晴らしく、スピードもある。彼を止めるのは非常に難しい。常に横に斜めへと動き、我々のコンビネーションサッカーに非常に合っている。彼の動きがあるから、守備陣からのパスも活きてくる。この調子でいくことを祈っている」
ミロスラフ・クローゼが引退し、マリオ・ゴメスがベテランとなったドイツ代表では、FWの人材難が指摘され続けている。
だが、ボールを引き出し、守備で汗をかき、チャンスメイクもできて、何より得点力が高いというストライカーの登場は、W杯連覇を狙うドイツにとって大きな希望となるだろう。そして、ヴェルナーを力強くバックアップしたファンにとっても……。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。