サプライズ招集はあるのか? 週刊サッカーダイジェスト編集長が日本代表候補合宿を斬る

カテゴリ:日本代表

谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)

2014年04月04日

サプライズがあるとすれば「ジョーカー枠」での招集か

合宿組の最終メンバー入りは厳しいかもしれないが、局面を打開できる、流れを変えられる、試合を決められる、といったタレントには門戸が開かれているはず。この南野は狭き門をくぐれる数少ない選手のひとりだろう。 (C) Getty Images

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 ただ、この合宿で招集される選手が「1人いる」としたら、それは試合の流れを変える「ジョーカー枠」での抜擢だ。

 そもそもザッケローニ監督は就任以来、この役割を担う人材、特に単独で局面を打開できるドリブラータイプを探し続けてきたフシがある。宇佐美貴史、原口元気、宮市亮、乾貴士、大津祐樹と代わる代わる招集しては、そのパフォーマンスに満足できず、メンバーから外してきた。現状では齋藤学が、この役割を担う人材として一歩リードしているが、3月のニュージーランド戦でも目立った結果を残しておらず、盤石とは言えない。

 今季のJリーグでのプレーを見る限り、初招集の南野拓実は大きな可能性を感じさせる。狭いエリアを攻略する瞬間的なスピード、守備時の献身性、19歳とは思えない冷静な状況判断と負けん気の強さなど、試合途中に投入される切り札としての資質は十分。今回の合宿で相当なアピールに成功し、残り約1か月のJリーグでも継続的に結果を残せば、大逆転でブラジルに辿り着くかもしれない。

もちろん、ゴールにより近い位置でジョーカーになれるタイプも魅力的だ。今季絶好調の小林悠は、11年のリーグ戦でまさにその役割を担い、シーズン12得点をマークして大ブレイク。川又堅碁も持ち前の高さと得点感覚で、切り札になり得る。ただ彼らはいずれも、独力で局面を打開するドリブラータイプというより、周囲との連係をいかに構築できるかが鍵。ワールドカップ直前まで、既存の主力である本田圭佑や遠藤とイメージをすり合わせる機会がない以上、彼らを選ぶのはギャンブルに近い。

 むしろフィニッシャーとしてのサプライズ招集の可能性なら、今回の候補合宿には呼ばれていないが、Jリーグでゴールを量産する大久保嘉人のほうが高い気がする。単独で局面を打開するスキルを備え、本田や遠藤らとは長年代表でプレーしており、連係面に問題なし。そしてザッケローニ体制下でも、12年2月のアイスランド戦に招集され、出場もしている。

 意外性に溢れる今回の候補合宿のメンバーだが、指揮官の頭の中では本大会に挑む陣容はほぼ固まっており、サバイバル色は薄い。4年間という強化サイクルを考えた時、終着点間際になって一気に候補者の枠を広げることに大きな意義を見出せないが、ポジティブな点を挙げるなら、23人発表までの残り約1か月間の話題が増えたこと。Jリーグを観るうえでの楽しみが広がった点は、素直に歓迎したい。

文:谷沢直也(週刊サッカーダイジェスト編集長)

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