前線の個の力の生かし方は、清水に対しては有効だった。
後半に入って、そのジワジワが徐々に効き始めてくる。
「浦和のフォーメーションで右に左に振られたなか、今日はみんなよく走っていたと思うし、それによって守れていたと思います。でも、だんだん体力を奪われて走れなくなってくると、押し込まれる時間が増えてきました」と清水のGK六反勇治は語る。
そうなると生きてくるのは、浦和の個の力だ。ラファエル・シルバのドリブルや、興梠、武藤雄樹らの動き出しを、清水の選手たちが捕まえ切れなくなってきて、ゴールに迫られる場面が増えてくる。さらに、清水の中盤にスペースができて、浦和の持ち味であるワンタッチパスを多用した攻撃も増えていった。
そして64分にCKの二次攻撃から遠藤が決めて同点。さらに70分には興梠とR・シルバの力で逆転ゴールを奪った。清水としては、全体が連動して我慢強く守れていた試合だったが、最終的に耐えきれなくなったという印象だった。
ここまでは浦和の手堅さを強調したような文章になってしまったが、攻撃面での浦和の良さは残っている。清水の前線からの守備を担う金子も、「ひとつのコースを切っても、違うところから攻めて来るし、そのへんはうまいですね」と狙いを絞れなかったことを悔しがった。それがボール支配率で大きく上回れた一因でもある。
浦和の攻撃面での変化としてこの試合で感じとれたのは、人数をかけてリスクを負った攻撃が減ったあたりだが、前線の個の力は上手く生かしていた。それが清水に対しては有効だったということだろう。
ただ、今季初の3連敗となった清水にとっても、過去2試合に比べれば前向きな要素は多い戦いだった。角田の起用や、枝村匠馬とミッチェル・デュークの左右を入れ替えたことがプラスに作用し、内容は大きく改善。守備の隙も少なくなった。白崎凌兵が怪我から復帰したことも明るい材料で、9月中にはチアゴ・アウベスや鄭大世の復帰も期待されている。
2週間後の甲府戦に向けて、どれだけ勝ちきれる力を整えられるかに注目したい。
取材・文:前島芳雄(スポーツライター)
「浦和のフォーメーションで右に左に振られたなか、今日はみんなよく走っていたと思うし、それによって守れていたと思います。でも、だんだん体力を奪われて走れなくなってくると、押し込まれる時間が増えてきました」と清水のGK六反勇治は語る。
そうなると生きてくるのは、浦和の個の力だ。ラファエル・シルバのドリブルや、興梠、武藤雄樹らの動き出しを、清水の選手たちが捕まえ切れなくなってきて、ゴールに迫られる場面が増えてくる。さらに、清水の中盤にスペースができて、浦和の持ち味であるワンタッチパスを多用した攻撃も増えていった。
そして64分にCKの二次攻撃から遠藤が決めて同点。さらに70分には興梠とR・シルバの力で逆転ゴールを奪った。清水としては、全体が連動して我慢強く守れていた試合だったが、最終的に耐えきれなくなったという印象だった。
ここまでは浦和の手堅さを強調したような文章になってしまったが、攻撃面での浦和の良さは残っている。清水の前線からの守備を担う金子も、「ひとつのコースを切っても、違うところから攻めて来るし、そのへんはうまいですね」と狙いを絞れなかったことを悔しがった。それがボール支配率で大きく上回れた一因でもある。
浦和の攻撃面での変化としてこの試合で感じとれたのは、人数をかけてリスクを負った攻撃が減ったあたりだが、前線の個の力は上手く生かしていた。それが清水に対しては有効だったということだろう。
ただ、今季初の3連敗となった清水にとっても、過去2試合に比べれば前向きな要素は多い戦いだった。角田の起用や、枝村匠馬とミッチェル・デュークの左右を入れ替えたことがプラスに作用し、内容は大きく改善。守備の隙も少なくなった。白崎凌兵が怪我から復帰したことも明るい材料で、9月中にはチアゴ・アウベスや鄭大世の復帰も期待されている。
2週間後の甲府戦に向けて、どれだけ勝ちきれる力を整えられるかに注目したい。
取材・文:前島芳雄(スポーツライター)