3ポイントは失ってもトッテナムがネガティブじゃない理由は?
そして何より、ウェンブリーのピッチでも、トッテナムはトッテナムらしく攻勢を続けていた。
主力の怪我と出場停止も重なって駒不足のチェルシーが、3バックの手前に3ボランチを置く、ポゼッションを捨てた3-5-2の布陣で臨んでいたとはいえ、内容的に勝者となるべきはトッテナムだった。
82分の同点弾は相手のオウンゴールによるものだが、そのミチ・バチュアイに頭を出させたクリスティアン・エリクセンのFKは、そのシーンのみならず、常に危険度が高かった。
エースのハリー・ケインも、中央からのミドルや右サイドから持ち込んでのシュート、さらにポストを叩いた左サイドから対角線を狙った一撃など、頻繁に決定機を作り出していた。
もし、彼がトッテナムでの通算100ゴール目を決めていれば、“ホーム”は更に盛り上がっていたはずで、結果も変わっていたのではないだろうか?
2失点はいずれも、個人のミスが重なった不運だったと言える。
マルコス・アロンソに完璧なプレースキックを披露された1点目は、デレ・アリの軽率なファウルによるもので、同じくM・アロンソの2点目も、ヴィクター・ワニャマがタッチを誤ってボールを失い、シュートがGKウーゴ・ロリスの脇の下を抜けたもの。それだけにトッテナムとしては、勝てたはずの“借家”でのホーム初戦だったのだ。
ポチェティーノは試合後に「結果は悔しいが、パフォーマンスには満足だ」と胸を張り、ミックスゾーンではロリスも「許してはいけない得点を許した」と潔く語っているが、チームにネガティブな雰囲気はなかった。
シーズンはまだ2節を終えたばかりだ。3ポイントは失ったが、堂々とホームゲーム初戦を終えたトッテナムは、世間が騒ぐ「ウェンブリー・ファクター」など、心配無用といった自信を得たに違いない。
文:山中忍
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
主力の怪我と出場停止も重なって駒不足のチェルシーが、3バックの手前に3ボランチを置く、ポゼッションを捨てた3-5-2の布陣で臨んでいたとはいえ、内容的に勝者となるべきはトッテナムだった。
82分の同点弾は相手のオウンゴールによるものだが、そのミチ・バチュアイに頭を出させたクリスティアン・エリクセンのFKは、そのシーンのみならず、常に危険度が高かった。
エースのハリー・ケインも、中央からのミドルや右サイドから持ち込んでのシュート、さらにポストを叩いた左サイドから対角線を狙った一撃など、頻繁に決定機を作り出していた。
もし、彼がトッテナムでの通算100ゴール目を決めていれば、“ホーム”は更に盛り上がっていたはずで、結果も変わっていたのではないだろうか?
2失点はいずれも、個人のミスが重なった不運だったと言える。
マルコス・アロンソに完璧なプレースキックを披露された1点目は、デレ・アリの軽率なファウルによるもので、同じくM・アロンソの2点目も、ヴィクター・ワニャマがタッチを誤ってボールを失い、シュートがGKウーゴ・ロリスの脇の下を抜けたもの。それだけにトッテナムとしては、勝てたはずの“借家”でのホーム初戦だったのだ。
ポチェティーノは試合後に「結果は悔しいが、パフォーマンスには満足だ」と胸を張り、ミックスゾーンではロリスも「許してはいけない得点を許した」と潔く語っているが、チームにネガティブな雰囲気はなかった。
シーズンはまだ2節を終えたばかりだ。3ポイントは失ったが、堂々とホームゲーム初戦を終えたトッテナムは、世間が騒ぐ「ウェンブリー・ファクター」など、心配無用といった自信を得たに違いない。
文:山中忍
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。