「ポドルスキ活用法」に苦心する神戸…鍵は“あるパサー”の存在だ

カテゴリ:Jリーグ

橋本啓(サッカーダイジェスト)

2017年08月21日

敵陣のスペースを突くプレーができない選手ではない。

ポドルスキが生きるには、味方との連係強化が不可欠。パスセンスに優れる藤田とのホットライン構築もポイントとなるか。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 そもそも、来日して約1か月半という事実を考えれば、致し方ない部分もある。神戸には主力に怪我人が続出していたこともあり、例えば左膝の怪我から復帰した藤田直之(21節の鹿島戦から実戦復帰)と公式戦でともにプレーしたのはまだ3試合しかない。

「彼をストライカーとして仕事させるために周りがフォローをしきれていないことは否めない」(高橋秀人)との言葉からも分かるように、連係構築にはまだまだ時間が必要だろう。

 では、この大物助っ人を輝かせるにはどうすべきか。ドイツ代表時代を振り返れば、多くの得点をショートパスから決めていた。つまり、パサーの存在がポイントとも言える。そう考えると今後、パスセンスに優れたボランチの藤田あたりとホットラインを確立できれば、“黄金の左足”が炸裂するチャンスが広がるかもしれない。

 加えて、本人がチームをより理解する必要もある。2トップでコンビを組む渡邉が、「中盤に下りてパスを捌くのは悪くはないけど、その分だけ距離感が悪くなる。欲を言えばもっとゴール前に入ってきてほしい」と要求しているように、スプリントを利かせた動きも取り入れたい。

 理想は、先述した横浜戦の27分にような形か。ハーフウェーライン付近で渡邉が藤田からパスを受けた瞬間、右サイドの小川がいち早く前方に走り出してラインブレイク。結果的にシュートはゴールへ結びつかなかったが、守→攻への素早い切り替えからゴールに迫ったこの形こそ、ネルシーニョ監督時代から志向してきた攻撃パターンのひとつだ。

 前監督のやり方が染みついている神戸の選手たちからすれば、こうした動きを求めているはず。ここまでは動き出しの少なさが顕著なポドルスキとはいえ、ワンツーや飛び出しから巧妙に敵陣のスペースを突くプレーはもちろんレパートリーにある。

 味方の要求を呑みこんだうえで、特長を発揮する――。ポドルスキ活用法の鍵はそこにもありそうだ。

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取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
 
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