浜松開誠館と広島皆実が充実の合同合宿! 巻き返しを期す両雄の決意に迫る

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2017年08月16日

それぞれが後半戦の戦いに向けて力強くリスタート

熱を帯びる浜松開誠館のベンチ。両チームとも充実の4日間を過ごした。写真:安藤隆人

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 合宿最終日とあって、両チームとも立ち上がりは身体が重く、特に広島皆実の選手の動きは鈍かった。しかし、時間の経過とともに球際の激しさ、ゲームのテンポが上がり、後半は白熱の展開となった。
 
 ゲーム内容を振り返ると、前半16分に右サイドを突破したMF鈴木凱人の折り返しをMF岡島温希がシュート。そのこぼれを拾ったDF古田裕士朗が左足で押し込んで、先制点を挙げた。同21分には岡島が抜け出し、すかさず追加点を挙げ、前半でリードを2点に広げた。
 
 後半に入ると、左サイドバックの西原広太の正確な左足のキック、右FW藤原裕汰の突破力をトリガーにして、持ち前の堅守強攻で反撃に転じるが、5分に逆にカウンターを浴び、後半から投入された浜松開誠館FW青木に3点目を決められてしまった。
 
 だが、広島皆実はこのゴールでも折れることなく、反撃を続ける。後半10分に藤原のカットインからパスを受けた西原が、左足で強烈ミドル。浜松開誠館GK青嶋佑弥が横っ飛びで触れると、ゴール左ポストに当たって枠を外れた。20分には成長著しい2年生FW森内幸佑が抜け出し、決定的なシュートを放つがバーの上。終了間際には藤原のカットインからシュートを放つが、浜松開誠館DFが身を投げ出してコースを変え、得点には至らなかった。
 
 結果は3点差がついたが、内容はゴール前での一進一退の攻防が最後まで続き、両チームがピッチを広く使った連動した攻撃と要所で身体を張った守備を見せる、見応えある戦いだった。
 
 続くB戦はA戦以上の盛り上がりを見せた。立ち上がりから両チームが激しくぶつかり合い、攻守がめまぐるしく入れ替わる好ゲームとなった。その中で広島皆実FW柴田が前線で躍動感溢れるプレーを見せると、浜松開誠館MF市川侑生も高いアジリティーと両足のキックで存在感を発揮。彼らの躍動に引っ張られるように、周りの選手も切れのあるプレーを見せ、レギュラー奪取に好アピールを続けた。結果も1−1と最後まで拮抗した展開のまま、合同合宿は幕を閉じた。
 
「浜松開誠館がいつもやっているフィジカルメニューを一緒にやって来たのに、向こうは身体がすごく動いて、こっちは動けなかった。それを全員が感じることができたのが、大きな収穫でした。もっとタフに戦わないといけないですから」(藤井ヘッドコーチ)
 
「非常に有意義な4日間だった。普段のトレーニングだとどうしてもマンネリ化してしまって、質が変化する中、広島皆実とやることで常にお互いを意識して、高いアベレージのメンタルでトレーニングできたことはすごく大きかった」(青嶋監督)
 
 もうこれ以上悔しい思いはしたくない──。
 
 浜松開誠館は静岡学園、清水桜が丘、藤枝東、清水東ら名門が揃う激戦区・静岡を制覇し、念願の選手権初出場を。広島皆実は強烈なライバルである瀬戸内、広島観音を倒しての選手権出場を。そしてともにプリンスで巻き返し、プレミアリーグ参入戦に進むために。
 
 決意の合同合宿を終え、それぞれが後半戦の戦いに向けて力強くリスタートを切った。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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