チーム状態が向上したのは、池谷監督自身の変化も無関係ではない。
選手たちがチーム状況を理解し、危機感を持ってトレーニングや試合に臨んでいるからこそだが、もう1点、池谷監督自身の変化も無関係ではない。
2012年からクラブ社長を務めてきた指揮官は、経営者としてシビアに数字と向き合う経験を通じて組織マネジメントの手腕や感覚を磨き、またその間に間近で見てきた複数の監督たち——現長崎の高木琢也監督、吉田靖氏、FC今治育成副部長の小野剛氏、そして清川浩行前監督——の良い点を上手く取捨選択し、地域リーグやJFLを戦った当時よりも、監督としての幅を広げた。
トレーニングでは、スカウティングをもとに次の対戦相手にフォーカスした要素も落とし込んでいるが、同時に全体のクオリティを高め底上げしていく部分にもウェイトが置かれている。
とはいえ、まだ残留ラインとして設定する勝点42は遠く、良くなりつつあるなかでも特にラスト3分の1の工夫やコンビネーション、そして精度など課題は多い。
しかし、前半の悪い流れを修正して後半にペースを引き寄せた今回の名古屋戦のように、「こういうゲームができることを証明できた」(池谷監督)のは確か。7月の流れを維持して夏を制することができれば、残留争いから脱して混戦の中位にくい込んでいくことは十分可能だ。
取材・文:井芹貴志(フリーライター)
2012年からクラブ社長を務めてきた指揮官は、経営者としてシビアに数字と向き合う経験を通じて組織マネジメントの手腕や感覚を磨き、またその間に間近で見てきた複数の監督たち——現長崎の高木琢也監督、吉田靖氏、FC今治育成副部長の小野剛氏、そして清川浩行前監督——の良い点を上手く取捨選択し、地域リーグやJFLを戦った当時よりも、監督としての幅を広げた。
トレーニングでは、スカウティングをもとに次の対戦相手にフォーカスした要素も落とし込んでいるが、同時に全体のクオリティを高め底上げしていく部分にもウェイトが置かれている。
とはいえ、まだ残留ラインとして設定する勝点42は遠く、良くなりつつあるなかでも特にラスト3分の1の工夫やコンビネーション、そして精度など課題は多い。
しかし、前半の悪い流れを修正して後半にペースを引き寄せた今回の名古屋戦のように、「こういうゲームができることを証明できた」(池谷監督)のは確か。7月の流れを維持して夏を制することができれば、残留争いから脱して混戦の中位にくい込んでいくことは十分可能だ。
取材・文:井芹貴志(フリーライター)