【総体】生まれ変わった星稜が面白い! あの屈辱から這い上がり、いざ反攻へ!

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年07月29日

名将は「まだまだ弱っちいよ」と笑う。

星稜の流麗なパスワークを促進するのが高岸(10番)だ。雨で重くなったピッチでも技巧が冴えた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 失意のどん底に突き落とされたのが、昨年の秋だ。
 
 選手権・県予選決勝で鵬学園に敗れ、連続出場回数が17でストップ。北陸の名門は窮地に立たされ、新チーム発足後も試行錯誤が続いたという。
 
 今大会で背番号10を担う高岸は、こう語る。
 
「1月2月は縦に速い、蹴るサッカーをしてたんですけど、なかなか結果が出なくて、方向転換したんです。三角形でしっかりアングルを作って、場面場面で数的優位を作っていこうと。ようやく形になりだしたところで、インターハイでもそれを続けられるようにと河﨑監督に言われてました。あの(選手権予選敗退の)悔しさはいまも忘れてません。選手間で求め合う機会が間違いなく増えたし、意見交換しながら、今日はこういうサッカーをしようとか、よく話し合うようになった。最後まで諦めず勝ち切れたのも、ひとつの成長分だと思います」
 
 最終ラインの要で、クールな主将の敷田唯も、逆転劇に浮かれた様子はない。
 
「集中を切らさずに全員でやり切れた。今年のチームは、ばんばん点を取れるチームじゃない。まずは全員で守備から入って、接戦をしっかりモノにするしかない。ミーティングはすごく増えましたし、その積み重ねがあるから、意思統一ができてる。今日だって簡単に蹴らなかったのは、前線に高さがなく収められない、しっかり繋ぐしかないとみんなが分かっていたから。僕たちは去年の選手権を経験できなかった。だからこそ、勝ちへの執念は強い。一人ひとりの想いが強いんです」
 
 河﨑監督は「まだまだ弱っちいよ」と笑う。一敗地にまみれたあの日から、足元を謙虚に見つめ、チーム一丸となってV字回復を果たした星稜。大雨の劣悪なコンディション、初戦の重圧、終盤のビハインドという難局を乗り越え、選手たちの表情は、自信に満ち溢れていた。
 
 強靭なメンタリティーを携えたタレント軍団は、日曜日、静岡学園との2回戦に臨む。相当面白いゲームになりそうだ。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
【関連記事】
【総体】有力校が1回戦突破! 2回戦で東福岡×青森山田、星稜×静岡学園など強豪が激突!
【総体】Jスカウトが集結するなか、存在を誇示した安藤瑞季「インターハイは人生を変える」
【高校サッカー勢力図】総体出場選手数・都道府県ランキング|東京は2位、流経&市船が代表の千葉は10位、サッカーどころ静岡は…
【総体】編集部厳選! 宮城インターハイを彩る必見タレント~FW編
【総体】編集部厳選! 宮城インターハイを彩る必見タレント~MF編

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ