「今に満足してしまったらそこで終わり」
森山監督も(この試合のパフォーマンスだけに限るが)宮代の課題を指摘している。「ゴール前でも落ち着いてプレーできる選手。あとは決めるべきところで決めてくれるとね。今日はそれができなかった。ただ、孤立しながらもシュートまで持っていけたのはポジティブ」
では、川崎U-18の指揮を執る今野章監督はどうか。「フィジカルな相手がタイトにマークにきていたので、彼のなかでは良くなかったかもしれないが」と前置きしたうえで、流経大柏戦の出来と今後について話してくれた。
「チームとしては前線で収めてくれるのはすごく助かる。去年と比べて、今年はグッと伸びてきた。万能型だけど、『収める』『運ぶ』『パス』『シュート』をさらに高いレベルでやってくれていて、日本クラブユース選手権の関東予選でも断トツに抜けた存在だった。
フィニッシュにこだわってほしいけど、状況判断を含めて、様々な面をもうひとつ上のレベルに引き上げてもらいたい。ユースだと『自分でいったほうがゴールは生まれる』というのがあって強引に行くシーンも見受けられる。
もちろん、それはFWとして持つべき部分。それでも『自分にマークが集まるから周囲を上手く使う』という選択肢を持ちつつ、強引さが必要なところを判断する。それを間違えるとトップチームに上がって苦労するから、彼にも話してはいる。
全体をもうひとつずつ上に引き上げるっていうのは難しい注文かもしれないけど、いいものを持っているのは確かだから。そのなかでさらにクロスに飛び込む技術など、得点を奪う部分は飛び抜けた長所としてほしい。そうすれば来年からでも上に絡めると思う」
指揮官は、宮代が来季から川崎のトップチームへ帯同する可能性を示唆(※「2種登録」「トップ契約」については言及せず)。宮代の現時点でのパフォーマンスに加え、その潜在能力、サッカーへの愚直なまでの真摯な姿勢を鑑みれば単なるリップサービスではないことは分かる。
最後に、「周囲からの期待は高いが?」という質問を宮代本人にぶつけてみた。その豊かな才能を周囲から厳しくも温かい目で見守られている17歳が、現状をどう受け止めているのか知りたくなった。
「期待されるのは光栄なことです。ただ、今に満足してしまったらそこで終わり。常に上を目指してプレーしなければいけません。今日の試合で言えば、得点を奪えていない。自分で『抜きんでている』と感じる部分はないので、『もっと上に』という意識でやっていきたい」
あるのは貪欲さのみ。慢心など一切なかった。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
では、川崎U-18の指揮を執る今野章監督はどうか。「フィジカルな相手がタイトにマークにきていたので、彼のなかでは良くなかったかもしれないが」と前置きしたうえで、流経大柏戦の出来と今後について話してくれた。
「チームとしては前線で収めてくれるのはすごく助かる。去年と比べて、今年はグッと伸びてきた。万能型だけど、『収める』『運ぶ』『パス』『シュート』をさらに高いレベルでやってくれていて、日本クラブユース選手権の関東予選でも断トツに抜けた存在だった。
フィニッシュにこだわってほしいけど、状況判断を含めて、様々な面をもうひとつ上のレベルに引き上げてもらいたい。ユースだと『自分でいったほうがゴールは生まれる』というのがあって強引に行くシーンも見受けられる。
もちろん、それはFWとして持つべき部分。それでも『自分にマークが集まるから周囲を上手く使う』という選択肢を持ちつつ、強引さが必要なところを判断する。それを間違えるとトップチームに上がって苦労するから、彼にも話してはいる。
全体をもうひとつずつ上に引き上げるっていうのは難しい注文かもしれないけど、いいものを持っているのは確かだから。そのなかでさらにクロスに飛び込む技術など、得点を奪う部分は飛び抜けた長所としてほしい。そうすれば来年からでも上に絡めると思う」
指揮官は、宮代が来季から川崎のトップチームへ帯同する可能性を示唆(※「2種登録」「トップ契約」については言及せず)。宮代の現時点でのパフォーマンスに加え、その潜在能力、サッカーへの愚直なまでの真摯な姿勢を鑑みれば単なるリップサービスではないことは分かる。
最後に、「周囲からの期待は高いが?」という質問を宮代本人にぶつけてみた。その豊かな才能を周囲から厳しくも温かい目で見守られている17歳が、現状をどう受け止めているのか知りたくなった。
「期待されるのは光栄なことです。ただ、今に満足してしまったらそこで終わり。常に上を目指してプレーしなければいけません。今日の試合で言えば、得点を奪えていない。自分で『抜きんでている』と感じる部分はないので、『もっと上に』という意識でやっていきたい」
あるのは貪欲さのみ。慢心など一切なかった。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)