【磐田】好調を支える川辺駿と中村俊輔の幸せな関係

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2017年06月29日

名波監督は、記者から川辺の代表入りについて訊かれ…。

名波監督も川辺の能力を高く買っている。(C)SOCCER DIGEST

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「間合いがすごかった。その作り方というか、位置取りがすごい。ボールをとろうとしてもとれない。ファウルになるし、かわされるからまず飛び込めない。どうしてそういうことができるのか、と驚いた」
 
 その“最強”の選手がチームメイトとなった今季は、「テクニックはもちろん、プレッシャーのかけ方、相手のプレスをどう外すかなど、常に勉強になる」と、多くを学んでいる。
 
 中村俊が初めてリーグ戦で欠場した札幌戦のあと、川辺はこうも話していた。
 
「後半の途中、ボールを動かせた時間もあった。俊さんが練習でも試合でも、ボールをとられないように味方をサポートしてくれていて、それをずっと見てきていることで、僕たちもやれるようになってきていると思う」
 
 一方、他の選手同様、チームが中村俊に頼り過ぎることを危惧もしている。中村俊と川辺のふたりは、1試合の走行距離でトップを争うことが多い。そこには、「俊さんを一番走らせるわけにはいかない」という川辺の思いもある。
 
 中村俊は、単に試合でのプレーだけではなく、チームの成長を促す、多くの刺激と力をもたらしている。川辺の充実ぶり、ふたりの好関係は、その表れだ。
 
「自分の特長をいかせ、という意味でも(川辺)駿には『どんどん前に出ていけ』と言っている。現代サッカーでは、前に出て行けるボランチでないと通用しない。後ろで配球係になるだけでよかったのはひと昔前。敵を潰すだけでも、今はしんどいだろう」と話すのは、名波監督。代表スタッフが観戦に来ていたFC東京戦後の会見で、指揮官は、記者から川辺の代表入りについて訊かれ、「(代表に)行っちゃってもいいんじゃない?」と笑顔を見せた。
 
「代表は目指しているけど、もっと結果を出しているのに選ばれていない選手もいる。このチームでもっと活躍しなければならない」
 
 会見での監督の言葉をミックゾーンで聞かされた川辺は、一瞬相好を崩したあと、そう話した。
 
 21歳の逸材は、名波監督の信頼を受け、中村俊という“最強”のチームメイトとの好関係を築くなかで、備わっているポテンシャルを存分に発揮し、楽しげにプレーしながら進化の歩を加速させている。
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