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ドンナルンマ問題で再焦点の「代理人」の実態…ライオラやメンデスはどう巨額を稼ぐのか?

カテゴリ:ワールド

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2017年06月23日

クラブの代理として移籍交渉に携わり、成立案件の手数料で…。

かつては中田英寿を担当していたブランキーニ(右)。近年は様々なクラブの橋渡し役をして、手数料を得ている。(C)Getty Images

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 つまり、かつては選手の契約をまとめてその年俸の5~15%をコミッションとして受け取るだけだった代理人が、現在はクラブの代理として移籍交渉に携わり、成立した場合に移籍金の何%かをクラブから受け取るようになっているのだ。
 
 2015年2月にファン・ギジェルモ・クアドラード(現ユベントス)が、フィオレンティーナからチェルシーに移籍した際も、間に入って移籍交渉を進めたのは、双方のクラブと非常に近い関係にあるファリ・ラマダーニというエージェントだった。クアドラードの代理人アレッサンドロ・ルッチは、チェルシーとの間で年俸などの条件面について交渉しただけで、クラブ間の交渉には一切関わっていない。
 
 もうひとつ例を挙げよう。今年1月、ニコラ・カリニッチの獲得に乗り出した天津権健の代表者としてフィオレンティーナとの交渉に当たったのは、代理人のダビデ・リッピ(現中国代表監督マルチェロ・リッピの息子)だった。
 
 リッピには3800万ユーロ(約46億円)の予算が与えられ、この範囲内でカリニッチの契約を勝ち取ってくるのが任務だった。それ以下の条件で話をまとめれば、差額はリッピの懐に入る仕組みだったのかもしれない。
 
 いずれにしても、いまや移籍交渉においては、その選手の代理人が誰だということは、メンデスやライオラのようなビッグネームでない限りは、それほど重要ではなくなっている。むしろ重要なのは、このクラブとこのクラブの交渉をスムーズに進めるためには、誰が間に入るのがいいのかということ。
 
 ラマダーニやジョバンニ・ブランキーニ(かつてはロナウドや中田英寿を担当)、ジャコモ・ペトラリート(イタリアとドイツの橋渡し役)のようなエージェントは最近、そういう形でクラブ間の交渉に入ってクラブからコミッションを受け取る仕事がメインになっている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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