【セルジオ越後】コンディション調整も采配も問題あり。ある意味、引き分けで御の字だよ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2017年06月14日

失点シーンでは、みんな足が止まっていたね。

吉田や川島の対応に問題がなかったとは言わないが、失点の場面ではバイタルエリアでボールを回されすぎた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 香川の負傷離脱で空席となったトップ下には原口を起用した。これがハマったとは僕には思えない。いつもは右サイドにいた久保を左に回すとか、ハリルホジッチ監督は少しチームをいじりすぎた感が否めないよ。
 
 久々のスタメンに抜擢された本田のプレーも、パッとしなかったね。確かに、よくボールに触っていたし、高いキープ力で右サイドのポイントにはなっていた。
 
 でも、シュートの数も決定機を作り出す場面も少なかった。決定的な仕事は、大迫の先制点を呼び込んだCKだけ。これをどう評価するか。画面にはよく移っていたけど、相手にとって危険なエリアにどれだけ侵入できたかを考えると、十分な脅威を与えられたとは思えないね。
 
 シリア戦で失点に絡んだ昌子は、いくらか挽回したように感じたけど、DFとしてまたもや失点を許している。評価するのは、無失点に抑えてからだ。厳しい言い方だけど、イラク戦のパフォーマンスなら、昌子以外の選手でも披露できたんじゃないかな。
 
 イラク戦の失点シーンでは、みんな足が止まっていたね。もちろん、吉田や川島の対応に問題がなかったとは言わないけど、バイタルエリアであれだけボールを回されれば、ああいうことも起こり得るよ。
 
 とにかく、今のハリルジャパンには軸になれる選手が見当たらないんだ。大迫も頑張ってはいたけど、時間が経つにつれて、疲れが出たのかミスが散見された。
 
 原口や久保も、良い時の状態を持続できずにいる。前線の破壊力はまだまだ。最後はCBの吉田を前線に上げるパワープレーと、相変わらず点を取るための引き出しが少ない。
 
 追加点を取りに行こうとしない消極的な姿勢もどうなのか。大迫は「2点目を取る意識がなかった」と振り返ったけど、それは選手の責任というよりも、しっかりと監督が指示を出すべきことだ。
 
 なぜ、あんなに引いたのか。体力をセーブするためとはいえ、後ろに下がれば、相手は前に出てきて、主導権も握られる。押し込まれれば失点の確率は高まるし、追いつかれた後に攻撃に出ても、遅いよ。
 
 先制できれば、無理をしないでできるだけリードを保つ。それがゲームプランだったとしたら、物足りなさすぎる。2点目を取りに行く姿勢を見せてほしかったよ。
 
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