【総体】熊本の「眠れる獅子」が覚醒! 魅惑のパスワークで39年ぶりの悲願成就

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2017年06月07日

予選では右肩上がりにチームワークが向上。

流れるようなパスワークが自慢の東海大星翔。全国の舞台でどこまで通じるのか、腕試しだ。写真:白石秀徳

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 吉岡監督は大会前の状況を「正直、不安しかなかった」と苦笑いと共に振り返る。「リーグ戦では毎試合のように失点していて、内容も良くなかった。怪我人も出ていたし、トレーニングでも良くなかった」という。
 
 この感触は選手側も共有するもので、花田は「大会の2週間前までは練習の雰囲気も上がっていなかった」と明かし、GK深松裕太朗も「チームの中に問題があった」と認める。しかし、選手同士で話し合いを繰り返して改善に努めつつ、いざ大会が始まると、「一戦ごとに団結力が増していった」(深松)。終わってみれば、「本当に試合を重ねるごとに、ひとつずつ強くなっていく感触があった」(吉岡監督)と、右肩上がりにチームワークが向上。決勝ではセットプレーで奪った先制点をチーム一丸の守りで跳ね返し、嬉しい全国切符獲得となった。
 
 チームの肝はパスワークにあり、「持ち方が独特で、バイタルのところを使いながらラストパスを含めた仕事ができる」(吉岡監督)と評されるレフティーの花田を軸に、組み立てはハイレベルだ。151センチと小柄ながら、馬力と変化のあるドリブルでアクセントを付ける、元U-15日本代表候補の吉岡の存在も見落とせない。本人は決勝の出来に満足できなかったようで、「全国では特長であるドリブルからのシュートをもっと見せたい」と意気込む。安定感のある守護神・深松を軸にしたディフェンスも大会を通じて自信を深めており、全国で“腕試し”となる。
 
 以前から注目校として名が挙がりながら、なかなか県外へ飛び出せなかった“熊本の眠れる獅子”。来たるインターハイでは、激戦区・熊本の代表校らしい、熱い戦いを期待したい。
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)
 
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