【現地発】吉田麻也が日本人初の偉業達成。プレミア100試合出場までの「変化」とは?

カテゴリ:海外日本人

竹山友陽

2017年05月02日

現地の日本人サッカーチームを招待した吉田の姿勢を広報も評価。

サウサンプトンでリエゾン(連絡係)を務めるシュクター氏(右)。吉田(左)の姿勢を高く評価する。

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 ハル戦後、サウサンプトンのクラブスタッフで、リエゾン(連絡係)を務めるヒューゴ・シュクター氏に吉田について質問を投げかけた。
 
 シュクター氏は、選手たちと非常に近い立場であるためにクラブの内情は語ることはできないとしながら、吉田の最近の変化について尋ねてみると嬉しそうに答えてくれた。
 
「コンフィデンス(自信)だろうね。マヤの一番の変化は、自信を手に入れたことだと思う。フィルジル(ファン・ダイク)が、怪我で抜けた影響はもちろんあるだろうけれど、チームリーダーとしてピッチに立ち続けることで、信頼を勝ち得ている。その姿勢はピッチ内でもピッチ外でも一緒だと思う。
 
 また、自身の100試合出場記念に子供や保護者などを100人招待したのは、今までクラブでやったことない素晴らしいアイデアだったと思う」
 
 吉田は自身の100試合出場を記念して、ハル戦にロンドンから日系のサッカークラブ「FOOTBALL SAMURAI ACADEMY」の選手と保護者の100名を招待。シュクター氏は、その姿勢についても非常に好感を覚えたようだ。
 
「数週間前、本人から試合後にスタジアム内でスピーチする場所と時間を作ってくれないかと相談を受けたときにも、スタッフ皆がすぐに協力を許諾してくれた。ピッチ外においても、子供たちにもいい影響を与えているファンタスティックな振る舞いを見せてくれている」
 
 今シーズンの吉田は、プロ初タイトルにはあと一歩届かなかったが、準優勝に終わったリーグカップでは全試合に出場し、ベストイレブンにも選出された。さらにヨーロッパリーグ挑戦など飛躍的な成長を遂げていることには間違いない。
 
 しかしながら、プレミアリーグにおいては順風満帆とは言えない。9位に沈む現状に、ここ数シーズンの効率的なパフォーマンスで目が肥えているファンの不満は溜まっている。
 
 具体的に言えば、ズラタン・イブラヒモビッチ、セルヒオ・アグエロ、ジエゴ・コスタなど世界的ストライカーと局面での戦いにおいて、吉田は集中力が途切らすことなく堂々と渡り合えている。それでも終わってみれば、強豪相手に3失点以上を食らうなど、チームとして失点を重ねているのが現状だ。
 
 そうしたチーム状況を踏まえたうえで、「次の人が記録を越えるのが難しいと思うほどに、100から伸ばしたい」と意気込む吉田。プレミアリーグで日本人CBが出場記録を来シーズン以降も伸ばし続けるのは決して容易ではないが、忍耐と努力を重ねた5シーズンを経て築いた自信はそう簡単に崩れることはないだろう。

取材・文:竹山友陽
 
【著者プロフィール】
たけやま・ともはる/1985年4月20日生まれ 静岡県浜松市出身。ロンドンメトロポリタン大学スポーツマネージメント学部卒業。現在、西ロンドンにて日系のサッカークラブを運営。イタリア語、スペイン語、英語などの語学力を活かし、英国より日本サッカーの可能性を探る。
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