名古屋はなぜ、21位の山口に負けたのか?敗因を端的に突いた楢﨑の言葉とは

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2017年04月23日

風間監督の用兵策も、この日は神通力を失ったかのようだった。

 34分、36分とわずか3分間で奪われたふたつの失点の形は酷似している。ピッチ内外から修正の利かなかったチームは先制点を奪って楽になろうと前がかりになり、追い越す動きばかりで連動性のないプレーの中でボールロスト。そこをカウンターに狙いを絞っていた山口に突かれ、「無抵抗のままに失点してしまった」(八反田)。
 
 自分たちのミスから始まる相手の攻撃を、まるで目で追っているかのような緩慢な守備には、楢崎も「簡単すぎましたけどね」とあきれ顔。「スライドや戻る場所、カバーリングの場所とか、そのあたりは少し難しいところがあったかなとは思いますけど、練習ではやっていたのだから、もう少しやれたのではないか」と、仲間たちに苦言を呈している。
 
 後半は八反田に代えて永井龍を投入し、慣れている3バックシステムに戻して巻き返したが、守ってカウンターに徹した山口の壁は堅く、無得点のままに試合終了の笛を聞くことになった。
 
 今季ここまで一定の成果を挙げてきた風間監督の用兵策も、この日は神通力を失ったかのようだった。立ち上がりの良さと、後半のプレーには見るべきものがあっただけに、前半をもっと上手くさばけていればという後悔の念は募る。
 
 2戦連続のフル出場となった玉田圭司は「まずは自分たちの力不足を一人ひとりが認識しないといけない。でも、ある程度やれれば互角以上に戦えるという自信も持たないといけない」と必死に前を向く。
 
 区切りの10節目を前に喫した6試合ぶりの敗戦は、名古屋に教訓よりもJ2の厳しさを教えるものとなった。
 
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
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