プレミアリーグ好きの筆者による勝手な解釈だが、若き日のスティーブン・ジェラードを彷彿とさせ、井手口と同じ1996年生まれで言えば、我がトッテナム・ホットスパーの躍進を支えるイングランド代表MF、デル・アリのスタイルともどこか重なる。広範囲を絶えずカバーして攻守両面に貢献する、良質な「ボックス・トゥ・ボックス型」だ。
いずれはガンバのみならず、日本サッカー界を背負って立つ好タレントだ。ハリルジャパンのボランチ陣は、お世辞にも選手層が盤石とは言えない。パートナーを選ばない柔軟性や国際試合向けのメンタリティーを含め、井手口にはもっとチャンスが与えられて然りだろう。
遠藤と今野の二本柱がいないピッチで、じつは今季のガンバでもっとも欠かせない存在であることを示した若き“将軍”。どこまでも観る者を熱くさせるダイナモだ。
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)