監督の指示とチームメイトの要求。久保が選択したのは?
この試合では得点シーン以外でも、興味深いシーンが見られた。
後半アディショナルタイム3分のことだ。シャルルロワがCKを獲得し、GKのペネトーも参加する捨て身の攻撃策を打ってきた。このCKを凌ぎさえすれば、主審がタイムアップの笛を吹く可能性が高く、久保が自陣に戻ろうと歩き出したのも当然だった。
しかし、ハイン・ヴァンハーゼブルック監督は、ベンチを飛び出し、久保に「前に残れ! 前に残るんだ!」と指示を与えたのだ。
確かに久保が最前線に残っていれば、相手チームもセットプレーに参加する選手を減らさざるを得ない。しかも、クリアボールが渡れば一気に追加点のチャンスも生まれる。こうした攻撃的な姿勢は、ヴァンハーゼブルック監督が好む戦術でもある。
一方、チームメイトは懸命に久保に対して、「戻ってきてくれ!」と叫んでいた。久保は指揮官の顔を見たり、チームメイトの方を向いたりしながら、結局、自陣へと戻り、CKの難を凌ぎきったのだ。
「監督は『前にいろ』と言うんですけれど、チームメイトたちが『戻れ』と言うので、自分で判断しないといけませんでした。だけど、あそこは戻っていて良かったんじゃないかなと思います」
チームの責任を負うのは監督だが、ヘントの選手たちは自分たちでプレーの正解を導き出した。久保は言う。
「今日の試合は鍵になると思いましたし、監督もそう言っていた。今日の勝ちはデカイかなと思います」
元々、ヘントはヨーロッパリーグ出場を目標にしていたが、プレーオフ1で2位に立つ現在はチャンピオンズ・リーグ出場も夢ではなくなってきた。残り7試合はいずれも重要な試合になる。
その中で久保は引き続き決定的なパフォーマンスを見せられるのか。括目したい。
文:中田徹
後半アディショナルタイム3分のことだ。シャルルロワがCKを獲得し、GKのペネトーも参加する捨て身の攻撃策を打ってきた。このCKを凌ぎさえすれば、主審がタイムアップの笛を吹く可能性が高く、久保が自陣に戻ろうと歩き出したのも当然だった。
しかし、ハイン・ヴァンハーゼブルック監督は、ベンチを飛び出し、久保に「前に残れ! 前に残るんだ!」と指示を与えたのだ。
確かに久保が最前線に残っていれば、相手チームもセットプレーに参加する選手を減らさざるを得ない。しかも、クリアボールが渡れば一気に追加点のチャンスも生まれる。こうした攻撃的な姿勢は、ヴァンハーゼブルック監督が好む戦術でもある。
一方、チームメイトは懸命に久保に対して、「戻ってきてくれ!」と叫んでいた。久保は指揮官の顔を見たり、チームメイトの方を向いたりしながら、結局、自陣へと戻り、CKの難を凌ぎきったのだ。
「監督は『前にいろ』と言うんですけれど、チームメイトたちが『戻れ』と言うので、自分で判断しないといけませんでした。だけど、あそこは戻っていて良かったんじゃないかなと思います」
チームの責任を負うのは監督だが、ヘントの選手たちは自分たちでプレーの正解を導き出した。久保は言う。
「今日の試合は鍵になると思いましたし、監督もそう言っていた。今日の勝ちはデカイかなと思います」
元々、ヘントはヨーロッパリーグ出場を目標にしていたが、プレーオフ1で2位に立つ現在はチャンピオンズ・リーグ出場も夢ではなくなってきた。残り7試合はいずれも重要な試合になる。
その中で久保は引き続き決定的なパフォーマンスを見せられるのか。括目したい。
文:中田徹