【仙台】永戸勝也が経験した「45分間だけ」。歯がゆさを糧に、どこまでも走って行け!

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2017年04月18日

「浦和戦のことは自分なりにしっかりと反省できていた」

50分にクリスランのゴールで反撃の狼煙を上げたように見えたが……。チャンスを作りはしたが、仙台は最終盤に失点して1-4で敗れた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 王者との試合で仙台は、前半の45分で3失点。為す術がなかった。ハーフタイムを告げるホイッスルが吹かれると、すぐにチャントに切り替わったものの、駆け付けたサポーターからはブーイングも飛んだ。
 
 そんな折だった。ベンチで戦況を眺めているしかなかった永戸に出番が回ってくる。渡邉監督は後半頭から、茂木に代わって投入することに決めたのだ(もうひとり、ボランチの藤村慶太と交代で富田晋伍が同じタイミングで途中出場)。永戸が回想する。
 
「浦和戦のことは自分なりにしっかりと反省できていたし、ルヴァンカップの時は監督から直接、『上から見て、鹿島戦に向けて準備をしろ』と言われていたので、自分に求められているものを発揮しようと心掛けてプレーできた。
 
 急遽だったので準備が足りない面もあったけど……。早い段階でセットプレーから得点できた(50分に左CKからクリスランが頭で合わせてネットを揺らした)ので、クロスを上げる時には『最悪、相手に当ててCKでいい』とも考えていた。
 
 途中出場となった以上は、スタメンで出ている選手よりもどこかで一歩分でもボールにアタックしたり、多く走ったりして助けなくちゃいけない。それをしっかりとできていたら、もう少し良い結果になったかな、と。試合の途中からピッチに立つことがあまりなかったので、これもひとつの経験です」
 
 確かに、役割を理解しているパフォーマンスだった。西大伍や遠藤康を向こうに回して、ドリブルを突っ掛け、クロスを供給し、セットプレーも獲得。「あいつのところからチャンスを作れていたし、ああいう姿を今後も見せてくれれば」とは指揮官の弁だ。
 
 それでも、価値を再証明したとは言い切れない。「次の試合はどういう形で出場できるかは分からないですけど」という言葉は本心だろう。普段のトレーニングでの競争を勝ち抜き、改めて定位置を奪還するしかない。
 
 スタジアムに鳴り響いたサポーターたちの想いを背負って。もう2度と振り向くことなく、前だけを見つめて。ベガルタゴールドの2番よ、「カモン! カモン! カモン!」という声を目がけて、どこまでも走って行け!
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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