【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|サポーターへの感謝と取り戻すべき前への意識

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年04月17日

粘り強くやっていくことが大切だ。

前への意識を失いつつあるなかでの敗戦。意識を取り戻すことがチームを前進させるためには必要だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 今回の敗戦で特に思ったのは、「前への意識」が薄れてしまっていることへの危機感だ。今日の練習でも、選手たちにはそのことを伝えた。試合後の公式会見でも話したが、後ろで繋ぐことを奨励はしていない。なぜボールを下げるのかを、全員が理解し、共有する必要がある。

 すべては前に進むため、相手のゴールを陥れるため。ボールを受けようとして下がってくるのは前進するための布石だ、ということ。それを今は忘れかけてしまっているのではないかな。勇気を持ってポジションを取らずに、すべてが後ろ向きになれば、プレーも同じになってしまう。

 守備についても、「背後を取られたくない」、「背後を取らせない」という形でやってはいるが、腰が引けてしまい、ボールホルダーに対して誰もアプローチに行かないのでは意味がない。人が余っているのに出て行かないのは、仙台の守備ではない。

 振り返ってみると、浦和戦はすごくショッキングな敗戦ではあった。しかし、立ち上がりなど、前への意識を持てていた時間帯は確実にあった。チャレンジした結果、として受け止めることはできる。

 昨日の試合、特に前半はその姿勢がまったく見えなかった。チームにとって良くないことだと認識しているし、ハーフタイムにもそのことに関しては一喝した。後半に少しは変われたから、次につながるのかもしれない。

 攻撃でいえば、強気なポジショニング。そして、ボールを前へと運ぶこと。それは相手が嫌がることで、それを繰り返せば流れを掌握できるだろうし、結果にも直結するはず。「なんとなくボールを握っている」、守備では「なんとなく人数は揃っている」では怖くない。

 今は、前への意識を取り戻すことがチームを前進させるために必要で、もちろん目の前の結果を掴むためにも不可欠。一喜一憂せずに、粘り強く、トレーニングもゲームもしっかりやっていく。それが大切だ。

構成●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は4月22日に行なわれる8節・広島戦の予定。お楽しみに!

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