• トップ
  • ニュース一覧
  • 【新潟】初ゴール、初勝利にも平然…“落ち着き過ぎた”18歳新人・原輝綺が備える職人の自覚

【新潟】初ゴール、初勝利にも平然…“落ち着き過ぎた”18歳新人・原輝綺が備える職人の自覚

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年04月17日

開幕7戦目での初勝利。苦い経験に原は何を語ったか。

4月16日の甲府戦で初ゴールを決めた原。試合後は落ち着いた表情、口調で感想を語った。(C) J.LEAGUE PHOTOS

画像を見る

 彼は18歳にして職人、裏方の自覚を持っている。プレーも言動と同様に落ち着いて、確実性の高さが売りだ。特別な身体能力、ドリブルや強烈なキックといった分かりやすい武器の持ち主ではない。しかし冷静さ、判断力、そして適応力といった“目に見えない武器”があるから、彼は三浦文丈監督の評価を得ているのだろう。
 
 ただ原のプロ生活はまだ始まったばかりだ。J1リーグ戦で7試合、617分のプレーを終えた手応えを彼はこう述べる。
「プレースピードに少しずつ慣れてきて、落ち着ける時間も開幕戦より増えた。そこは収穫かなと思います」
 
 話題が課題に移ると彼は雄弁に語り始めた。
「ボールを奪ってから落ち着かせたい場面で、パスを長く出してしまったり、ラインを割ってしまったりすることがあった。しっかり周りを見ながら、自分のところで時間を作れるようにしたい。周りの押し上げを待つプレーをサイドバックができれば、チームも助かると思う。時間を作れるサイドバックとして、チャンスメイクのボールを入れたい。使う側のサイドバックというイメージは、自分の中で少し見えてきた」
 
 無理に喜びを抑えている、謙虚を心がけているという気配は無かった。もちろんビッグマウスというタイプでもない。ただ彼にはきっと「自分はもっとできる」という自負がある。だからこそ原は一喜一憂せず、成長に向けて殻を破る時間をもどかしく感じるのだろう
 
 新潟にとって甲府戦は今季の公式戦初勝利。原はプロ入りからいきなり50日も、勝利と縁のない時期を過ごしていた。彼は苦い経験について言葉を選びながらこう振り返る。
 
「ここに来て初めてと言っていいほどの体験をした。言い方が難しいし、この経験ができて良かったと言っていいのか分からないですけど……。どういう状況でもやり続けなければいけないということは学びました。『ひとりになった時は自分が出ていて本当にいいのかな?』とか、色々考えることはありました。でも使ってもらっている以上はやり続けないといけないし、結果を出さなければいけない。今日は結果だけですけど、出せて良かった」
 
 原はやはりプロ選手として、開幕からの勝ちなしを「良かった」とは片づけられなかったのだろう。しかしそういう場で苦しみつつトレーニング、プレーをやり続けた経験は、これからのキャリアで必ず生きてくる。
 
 サポーターは“結果だけ”で喜べばいい。しかし新潟の“落ち着きすぎた高卒ルーキー”は、結果だけで満足していなかった。初勝利、初ゴールにも平然としている姿から、試合中のプレー以上に原の頼もしさが伝わってきていた。
 
取材・文:大島和人(球技ライター)
【関連記事】
【J1採点&寸評】甲府×新潟|J初得点の高卒新人を高評価も…MOMはいぶし銀の輝きを見せたベテランCB
クレバーな働きで観る者のハートを掴む高卒ルーキー・原輝綺。さらなる高みへ掲げる理想像とは
高卒ルーキー3人が開幕からフル出場! 選手権のヒーローたちがJの舞台で躍動
ピッチ上に18歳が3人も! 躍動する湘南の10代たちが描く熾烈なライバル模様
【大阪ダービー】美女サポーターに人気の選手は?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ