【コラム】マドリー有利の「偽サイト」も運営。独裁を強めるペレス会長…

カテゴリ:メガクラブ

工藤拓

2017年04月05日

2009年の再任以降、独裁者としての側面を強める……。

ペレス(左)が築いた第一次政権下で選手としてマドリーに加わり、2009年から始まった第二次政権下ではクラブアドバイザー、Bチーム監督、そしてトップチーム監督になったジダン(右)。しかし、この深い関係も会長が気分を害せば……。 (C) Getty Images

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 だが、いちクラブの会長が外見的にはニュースサイトの体裁をとっているメディアを裏でコントロールし、ガレス・ベイルは先発起用すべきだと監督にプレッシャーをかけたり、自軍に不利な笛を吹いたレフェリーを批判したりするために利用するのは、かなりやりすぎな感がある。
 
 そもそも、会長選挙への出馬条件を厳しくして対抗勢力の台頭を阻止したり、ランダムに選ばれるべきソシオの代表選挙人を自身の支持者で固めたり、2009年に会長に復帰して以来、ペレスは独裁者としての側面を年々強めている。
 
 これはソシオのためのクラブであるはずのマドリーにとって、極めて危険な傾向である。それだけに、これに反発しているソシオが驚くほど少ないことが不思議でならない。
 
 なお、今回のスクープは、50人以上の政治家や市議会議員、役人の逮捕者を出した一大汚職事件『プニカ』の協力者として、デ・ペドロが逮捕されたことをきっかけに発覚した。
 
 数か月前、そのデ・ペドロとの関係性を問われて法廷の証言台に立ったペレス会長は、こう証言している。
 
「エキスパートと紹介された人間が、レアル・マドリーの名を汚す事件に関わっていたなんて不運だった」
 
 そう語る彼の頭には、きっと自らがクラブの名を汚しているなんて考えは微塵もないのだろう。
 
文:工藤拓
 
【著者プロフィール】
1980年、東京都生まれ。桐光学園高、早稲田大学文学部卒。三浦知良に憧れて幼稚園からボールを蹴りはじめ、TVで欧州サッカー観戦三昧の日々を送った大学時代からフットボールライターを志す。その後EURO2004、W杯ドイツ大会の現地観戦を経て、2006年よりバルセロナへ移住。現在は様々な媒体に執筆している。
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