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【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|先に進む――。「攻撃的なトライ」を選択した理由

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年04月03日

リスクを取るために必要なのが確固たる自信と技術。

堅守速攻でリーグ2位となった2012年。クラブにとって、ひとつの大きな成果と言えるだろう。写真:上野雅志

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 試合後に映像を再確認して思ったのは、「リスクを冒したポジショニングを取るべき必要が絶対にある」ということ。もちろん、リスクマネジメントを考えれば、「優位性を保つために危険な位置に立つべきなのか」という発想は生まれる。
 
 リスクを取るうえで重要になってくるのが、全員が「この状況では絶対にボールを奪われない」という確固たる自信と技術を備えること。川崎はボールを止めてからの判断が早く、正確だ。トラップで良い位置に置くから、次の行動も素早い。
 
 相手のプレッシャー下で、いかに正確にボールを扱えるか。イージーミスが許されない状況下で、どうすれば普段通りのプレーをできるか。そして、それらをどのようにしてチームプレーに反映させるか。その部分の整理整頓や戦術面の落とし込みは、私たち監督の仕事だと思っている。
 
 必要なのは継続だ。その重要性をより強く感じているのは、自分が仙台に長く在籍しており(2004年に現役を引退後、下部組織のヘッドコーチを経て、08年からトップチームのコーチに就任)、戦術という意味でも色々なものを見てきたからだと思っている。
 
 2012年は堅守速攻でリーグ2位となってACL出場権を得た。あれはひとつの大きな成果。そのなかで2013年、(手倉森)誠さんは「もっと攻撃的に」という挑戦を試みた。2014年に招聘したアーニー(グラハム・アーノルド)もポゼッションを志向した指揮官だった。
 
 しかし、結果が伴わず、その後に私が監督へと内部昇格した際にやったことは、「時計の針を戻す作業」だったわけだ。守ってカウンターという戦いをもう一度やるぞ、と。それは何よりも結果を求めてのこと。J2に降格するかもしれない、という危機感があったからだ。
 
 立ち返るものがあり、J1に残留することができたが、次に何をやるのかを考えた時には「もっと攻撃的なことにトライしないと先はない」という思いしかなかった。それは2013年に誠さんが感じたことと一緒だと思うし、アーニーを連れてきたクラブの判断とも同じだと思う。
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