「試合終盤にあったPKのピンチも、スコアが離れていたので勝敗に大きな影響を及ばさないと分かっていたとはいえ、きっちりと止めたのは評価されるべきだろう。あそこで失点して終わるか、無失点で終わるかによって、チームの雰囲気や選手の心理状態も変わってくる。自信を深めたまま、予選２連戦を終えたことは今後のプラスになるのではないか」
 
　また、久保裕也をはじめとする新戦力の頭角もハリルジャパンにとってはプラスに働くのではないかとソン・ジフン記者は言う。
 
　総合メディア『スターニュース』は、「２試合連続大活躍の久保、日本を３連勝に導いた」と題した記事のなかで久保のキャリアを紹介しながら、「そのような活躍(ベルギーでの活躍)がハリルホジッチ監督の心を摑んだ」とし、「久保は訳もなくヨーロッパの舞台でプレーしているのではないことを証明した」と評価しているが、ソン・ジフン記者もこう語る。
 
「日本も韓国もヨーロッパ組が主軸だが、韓国は特に彼らに依存しすぎており、彼らの調子が悪いと韓国代表もまったく機能しなくなる。だが、日本は本田が調子を落としても、彼に代わる選手がたくさんいる。そういった競争力の高さが、今回の２連戦で示されたのではいか」
 
　ソン・ジフン記者もそうだが、韓国メディアの多くが韓国と日本の置かれた状況を比べながら、ハリルジャパンを評価している。
 
「確率０パーセント→Ｂ組１位の日本、韓国とははっきりとした温度差」と報じたのはサッカーメディア『SPORTAL KOREA』だ。
 
「日本はハリルホジッチの指揮下で進化した。短いパスと適切なカウンターを織り交ぜながらタイを料理した。タイが前線からプレスを仕掛けると、最後方からいなす余裕も見せた。最下位チームが相手だったが、日本が追求するカラーを見せてくれた試合だった」としつつ、ホームでシリアに１－０で勝利したもののすっきりしない内容で終わった韓国代表の問題を指摘。最後をこう締めくくっている。
 
「韓国が冷や汗をかく試合を繰り返している間に、近くて遠い国は０パーセント(最終予選・初戦のUAE戦敗北時に論じられた初戦敗退なら突破の可能性０パーセントというデータ)の確率を乗り越え、世界舞台への準備を進めている」