【甲府】吉田新体制の大まかな設計図は見えた。しかし、課題は「富士山級」に山積みだ  

カテゴリ:Jリーグ

大島和人

2017年03月06日

失点後の30分間をキャプテン山本も悔いる。

「ボールに絡むという意識でプレーすれば、回せたと思います。味方の距離感が悪かったり、パスが雑になったりというところで、ボールが前に進まなかった」(兵働)
 
「たかが1点だし、0-2で負けようが0-1で負けようが結果は変わらない。取り返すんだという気持ちをチーム全体で表せられればもっと良かった」(小椋)
 
 耐えてロースコアで勝ちをもぎ取る甲府のスタイルにとって、確かに失点は重い。ただ「ひとつの失点から大きく崩れる」という悪弊は克服しなければならない。
 
 吉田監督は失点後の流れをこう振り返る。「裏にバーッと行けば開放されるからそれを選ぶんだけど、みんながボールから離れて走っていっちゃうようになっていた」。そして指揮官は続ける。「これは習慣ですから。下手じゃないんです。前半を見ていてもやれるし、練習を見ていても全然やれる」。
 
 成功体験の欠如から生まれるメンタル的な部分もあるのだろう。これは日々の練習から積み上げて、徹底的に習慣化するしかない。
 
 前半のカウンターが成功したようにロングボールが活きる場面はあるし、甲府のようなスタイルを実行するためには「シンプルにプレーを切るしたたかさも必要」(吉田監督)であることも事実。とはいえビハインドを負い、相手が守りを固めているならば、ボールをつないで押し込まなければ得点も生まれない。
 
 鹿島戦は90+4分に幸運なPKを得たとはいえ、63分の失点後に攻撃が機能しなかった。山本もやはり「チームとしてバラバラになる時間帯が少しでも長くあったことは残念」とラストの30分を悔いる。
 
 チーム作りの大まかな設計図が見えたことは収穫と言っていい。とはいえセットプレー、カウンターの質、ボールを受ける動きといったすべてが甲府の課題。J1残留に向けて取り組むべき作業は「富士山級」に山積みだ。
 
取材・文:大島和人(球技ライター)
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