【ミラン番記者】本田圭佑のシアトル移籍をリークしたのは選手サイドだ

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年03月01日

ガッリアーニ副会長の否定コメントで一気にトーンダウン。

ガッリアーニ副会長(右)は本田の即時移籍を完全否定。モンテッラ監督(左)や新オーナーになる見込みの中国投資グループにも説明していると語った。(C)Getty Images

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 しかし、同日午後になってアドリアーノ・ガッリアーニ副会長の発言が、この噂を断ち切る形となった。彼は「オフレコで頼むよ」と前置きしたあとに、本田の移籍の可能性を質問した者に対して、「それはない」とはっきりと答えた。
 
 それでも騒ぎは収まらなかったので、ヴィンチェンツォ・モンテッラが主催した夕食会のレストランで、ガッリアーニが今度はテレビカメラの前でこう断言した。
 
「この噂を誰が流したかは知らないが、本田はシーズン終了前には移籍しない。これは将来のオーナーである中国人たちとも一緒に決定したことで、本田自身にもそう告げてあるし、モンテッラにもそう言ってある。本田は日々懸命にトレーンングをしていて、我々は彼に満足している」
 
 つまり、本田の現時点での移籍は未来のオーナーたちも望んではいないということだ。しかし、ガッリアーニも本田がシアトルとコンタクトをとったことまでは否定していない。契約満了まで半年を切った選手は、現所属クラブに許可なく他クラブと交渉できるだけに、ルール上でもこれは問題ない。
 
 前記した通り、本田がシアトルと何らかの話をしたことは裏が取れている。ただ、「本田がモンテッラの構想に入っていないから、ミランは本田がいつ移籍してもかまわないと思っている」と考えるのは間違いだ。ガッリアーニがモンテッラはもちろん、中国側まで出してきて報道を否定したのが、その何よりの証拠である。
 
 たしかに今シーズンの本田はここまで95分間のプレータイムにとどまっているし、これからその数字が大きく伸びる可能性は極めて低い。
 
 ただ、シーズンはこれから佳境を迎える。26節終了時点でミランは勝点47の7位。1位ユベントス(勝点66)と2位ローマ(勝点59)ははるか彼方だが、4位アタランタ(勝点51)、5位ラツィオ(勝点50)、6位インテル(勝点48)は十分に射程圏内で、3位ナポリ(勝点54)との差も逆転不可能な数字ではない。ヨーロッパリーグ出場権(セリエA4~5位)はもちろん、チャンピオンズ・リーグ出場権(1~3位)への希望も消えてはいないのだ。
 
 そんな状況下で最大の懸念は、怪我や疲労で選手が欠けること。故障離脱中のジャコモ・ボナベントゥーラは今シーズン中の復帰が絶望的で、リッカルド・モントリーボもあと1か月は使えそうになく、フィールドプレーヤーで現在使える選手は22人だ。
 
 今シーズンは出番がなくても表立って不満を口にしないこともあり、本田はいまも非常事態で使える“保険”だとモンテッラに思われている。だからガッリアーニも現時点で、「シアトルに行っていい」とは言えないのだ。
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