宮古島出身札幌育ち、“左利きのカズ”上里一将が熊本に人生を懸けた理由

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2017年02月08日

理想は火の国にふさわしい迫力溢れる攻撃。上里の左足が噛み合った時、J1昇格への希望の光が射し込む。

コンディションは上がってきている。あとは上里自身が語るように「ゴールに絡む仕事」を増やしていきたい。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 沖縄の南国・宮古島出身初のJリーガーで、04年から16年まで札幌に在籍し、11年にFC東京、12年に徳島へレンタル移籍している。最南端出身の最北端フットボーラーは、プロ14年目を迎え、J通算12試合、そしてJ2通算295試合(20得点)の出場を数える。北の大地で数々の経験を積み、このオフ、ついに熊本へ完全移籍をした。
 
「最初にオファーをいただいたチームに行こうと決めていたところ、熊本から熱心に誘ってもらい即決しました。毎年、キャンプで来ていたので、馴染みはありました。もちろん、家族で来ました。暖かいところでプレーしてみたいなと思っていたので、それは良かったです。それに、プレースタイルを知る選手も多くいる点は、自分にとってメリット。だからこそ、今年は結果にこだわりたいです」
 
 上里は優しく笑う。
 
 そのキックが、巻の高さを生かす鍵を握りそうである。「確実にボールが収まるので、いかに連動して絡んでいくか。もっとかかわっていきたい」と、“熊本のカズ”は言う。
 
 また、清川浩行監督は上里のプレーについて、「(鹿児島戦は)前線からプレスをかけにいくところで、ハマらずにそのたびに守備に戻らなければならず、なかなか前線に絡めなかった」と戦術的な面で上手く機能しなかったことを考慮。一方で、「ショートパスが多く、両サイドの背後など、もう少し長いボールを蹴り込んで、ボールを動かしていけたはず」と注文をつけていた。その言葉に期待の大きさも感じられる。
 
「チームの雰囲気はとてもいいです。狙います、J1」
 
 上里はそう明確に言った。火の国で人生を懸けた戦いに挑む――その強い決意が伝わってくる。
 
 今季の熊本は、ハイプレスからの鋭く重厚なアタックを狙う。理想は火の国にふさわしい、燃えるような迫力溢れる攻撃だ。そこに上里の左足のキックが噛み合った時、J1昇格への希望の光が射し込むはずだ。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)

プロ14年目、J2通算300試合達成も目前だ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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