現在3位! いかにしてフランクフルトは強者の条件を満たしたか!?

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2017年02月04日

長谷部も信頼を寄せる、コバチ監督の指導、采配、人心掌握術。

クラブでの采配はこのフランクフルトが最初のコバチ監督だが、早くも選手をまとめ、好チームを作り上げた。指導者・指揮官としての能力だけでなく、人間としての資質もその要因だろう。 (C) Getty Images

画像を見る

 コバチ監督はまた、人心掌握にも長けている。
 
『ビルト』紙のインタビューを受けた長谷部誠がライプツィヒ戦を振り返り、こう語っていた。
 
「もちろん、みんな少しがっかりしています。(負けたのは)腹立たしいことでもありました。特に若手選手は落ち込んでいました」
 
「でも、監督はすぐにチームに話をして、『胸を張れ!』と伝えました。これは僕にとって、すごく大事なこと。良い前半戦を戦い、今、後半戦が始まった。僕は楽観的に見ていますよ」
 
 コバチ監督がしっかりと選手に気持ちの整理をつけさせ、自分たちを見つめ直させたからこそ、シャルケ戦の勝利があったのだ。
 
 チャンピオンズ・リーグ(1~4位)、ヨーロッパリーグ(5~6位)の出場権を争うためには、攻撃力でまだ改善の余地が残されている。だが、毎試合何点も取る必要はないし、それを夢見ているわけではない。
 
 それよりも、必要な時に必要なゴールを奪うこと。そのために、チームとしてここぞというときにギアをトップに入れ切れるかどうかが重要になるはずだ。
 
 戦力が不足しているわけではない。今のチームはアレクサンダー・マイアー頼みだった過去数シーズンとは違い、ブラニミール・フルゴタや新鋭アイメン・バルコクと、アタッキングサードで違いを作れる選手がいるのだ。
 
 自分たちを見失わずに、驕らずに。目の前の試合に勝つことに集中し続けることができれば、上位をキープすることは十分に可能だ。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/ドイツ・フライブルク在住の指導者。2009年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの研修を経て、フライブルガーFCでU-16やU-18の監督、FCアウゲンのU-19でヘッドコーチなどを歴任。2016-17シーズンからFCアウゲンのU-15で指揮を執る。1977年7月27日生まれ、秋田県出身。
【関連記事】
2月5日に32歳を迎えるC・ロナウド、「バースデー・ゴール」の実績は?
17歳の逸材ジャスティン・クライファート、父親似なのは見た目だけ?
柴崎岳「スペイン移籍騒動」の舞台裏、テネリフェ加入はむしろ正解?
【ミラン番記者】本田圭佑の「理解に苦しむ」決断。ベンチを承知で残留を…
79年ぶりの王者降格に現実味のレスター…。シアラーが「基礎がなっていない」と断罪!
「カネだけじゃない」爆買い中国で指揮を執るカンナバーロが伊記者に反論!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ