【岡山】J1昇格まであと1勝。桃太郎のように勇敢に挑め!

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年12月03日

「矢島はJ2の中でも、ひとり抜けていた選手だった」。

リオ五輪を経験した矢島。今キャリア最高のパフォーマンスを見せている。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 今季限りで退任した徳島の長島監督は言っていた。「矢島はJ2の中でも、ひとり抜けていた選手だった」と。その矢島が、今、まさにキャリア最高の輝きを放っているのだから、C大阪を打ち破る千載一遇のチャンスが訪れていると言える。
 
 そして寡黙で律儀な職人肌の赤嶺は、最前線で厳しいチェックにも文句を言わず身体を張ってボールを渡さない。プレーオフ準決勝の松本戦、同点に追いつかれたため、このままではプレーオフ敗退が決まってしまう後半アディショナルタイム……、この舞台を静かに心の底から楽しんでいたかのように、劇的な決勝ゴールを叩き込んだ。
 
 赤嶺はFC東京時代から慕ってきた長澤監督を男にしようと、岡山にやって来た。男気あるストライカーが、この大一番で、得点の嗅覚をしっかり取り戻した。
 
 一方の守備陣では、岩政が鬼もたじろぐ鬼神のごとき眼光を光らせ、寸分の狂いもないポジショニングとチャージで起点を作らせない。その隣では、篠原と片山がさらに鋭く目を光らせ、スペースを与えない。岩政の影響力はやはり大きい。岩政が3人いるような錯覚陥ることもある。鬼に金棒だ。
 
 そしてGK中林も集中力を切らさなかった。この守護神は、自身の間合いを掴めば正真正銘の無敵になる。
 
 11月27日のアルウィン決戦は、それでも岡山が完全劣勢だった――。勝因は総力だ。はるばる訪れた岡山サポーターを含め、一人でも欠けていたら、この日の劇的勝利はなかったに違いない。
 
 今季の岡山のホームゲームは、平均観客数が1万人を超えた。J2では人気チームのひとつに挙げられる。
 
 岡山で、男になる――。そう誓って集まってきた武者たちだ。
 
 C大阪との決勝戦は、先日の松本戦のような、特長を発揮することを意識した戦いをしたい。岩政や篠原は、相手の挑発に乗るのだけは避けたい。判定に文句を言ってパワーを消費したり、無駄なファウルで時間を消費したり……そんな空回りの闘志は不要だ。
 
 対峙する相手に勝てばいいだけだ。
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