後半戦も若い世代の突き上げが焦点のひとつになる。
とはいえ、裏読みすれば、ホームで勝点3をノルマに課された状況では、前節のオーストラリア戦のような「引いて戦う」戦術は取れない。頼みのベテラン勢のコンディションは上がってこない。ならば……。という消去法的な思考を経て、若手の起用を決断したのだとしたら、極めて冷静な判断だったとも言える。
繰り返しになるが、グループ首位のサウジを叩いたこの一戦は賞賛に値する。しかし、前半戦を通した日本のパフォーマンスを総括すれば、日本の出来は決して満足するものではない。初戦のUAE戦をホームで落とした借金はまだ返せてなく、いまだに大きな代償を払っている。
個人に目を向ければ、前半戦のMVPは原口になるだろう。カズ(三浦知良)さん、呂比須ワグナーを抜いて、最終予選で4試合連続ゴールを決めたのは原口しかいない。苦しい戦いを強いられるなか、チームに大きな勢いをもたらしていた。これでもし原口がいなければ、今頃日本はどのような状況を迎えていたのだろうか。
また、ホームのイラク戦で終了間際に決勝ゴールを決め、日本を救った山口の活躍もMVPに値する。チームの風向きを変えた、あのゴールはおそらく今予選のベストゴールになるだろう。
いずれにしても、日本は今予選最大の山場をクリアしたことで、チームとして大きな自信を取り戻せたことは間違いない。追い込まれた状況になって、若手にチャンスが回って、世代交代の波が押し寄せてきた。そのことを考慮しても、サウジ戦は日本に多くのポジティブな要素をもたらした一戦となった。
現在、グループBは首位のサウジと日本が勝点10、次いでオーストラリア、UAEが勝点9で続く。この4チームが勝点1にひしめき合う団子状態にある。後半戦も厳しい戦いが続くだけに、若手にとっても成長できるチャンスでもある。若い世代の突き上げは、後半戦の焦点のひとつになるだろうね。
■プロフィール
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水市商高-筑波大-磐田-ユトレヒト(オランダ)-磐田-名古屋-熊本-千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からVVVフェンロのコーチとして指導にあたっている。
繰り返しになるが、グループ首位のサウジを叩いたこの一戦は賞賛に値する。しかし、前半戦を通した日本のパフォーマンスを総括すれば、日本の出来は決して満足するものではない。初戦のUAE戦をホームで落とした借金はまだ返せてなく、いまだに大きな代償を払っている。
個人に目を向ければ、前半戦のMVPは原口になるだろう。カズ(三浦知良)さん、呂比須ワグナーを抜いて、最終予選で4試合連続ゴールを決めたのは原口しかいない。苦しい戦いを強いられるなか、チームに大きな勢いをもたらしていた。これでもし原口がいなければ、今頃日本はどのような状況を迎えていたのだろうか。
また、ホームのイラク戦で終了間際に決勝ゴールを決め、日本を救った山口の活躍もMVPに値する。チームの風向きを変えた、あのゴールはおそらく今予選のベストゴールになるだろう。
いずれにしても、日本は今予選最大の山場をクリアしたことで、チームとして大きな自信を取り戻せたことは間違いない。追い込まれた状況になって、若手にチャンスが回って、世代交代の波が押し寄せてきた。そのことを考慮しても、サウジ戦は日本に多くのポジティブな要素をもたらした一戦となった。
現在、グループBは首位のサウジと日本が勝点10、次いでオーストラリア、UAEが勝点9で続く。この4チームが勝点1にひしめき合う団子状態にある。後半戦も厳しい戦いが続くだけに、若手にとっても成長できるチャンスでもある。若い世代の突き上げは、後半戦の焦点のひとつになるだろうね。
■プロフィール
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水市商高-筑波大-磐田-ユトレヒト(オランダ)-磐田-名古屋-熊本-千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からVVVフェンロのコーチとして指導にあたっている。