【ドイツ在住記者の視点】ケルンでブレイクした大迫が日本代表にもたらすもの

カテゴリ:日本代表

中野吉之伴

2016年11月09日

モデストのいない日本代表ではさらに多くの役割を担うことに。

昨年6月16日のロシア・ワールドカップ・アジア2次予選、シンガポール戦(0-0)で香川真司に代わって61分から出場したのが、現時点で最後の代表戦出場。通算16試合目となる代表戦で、大迫はどんなプレーを見せられるか。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 スペースへ飛び出すタイミングも良い。パスを出せる選手にボールが渡る前に、次の展開を読んで動き出すので、フリーで抜け出すことができる。足元でもDFラインの裏でもボールを受けることができるため、相手も的を絞りにくい。
 
 FWで起用されても、中盤まで降りてきてゲームメイクに参加できる点も見逃せない。
 
 相手の守備に味方が苦しんでいるのを見ると、すっと下がってパスを引き出し、守備の弱いところにパスを展開。そこからまたゴール前に入っていくのだが、その時にも優れた動きを見せる。
 
 慌ててゴール前に飛び込むのではなく、相手の守備の位置を見て、瞬時にボールがこぼれてきそうな位置を予見し、ススッと入り込んでいく。
 
 そして、当たり前のように前線からのハードワークもしっかりとこなす。
 
 プレーのバリエーションの多さから、パートナーを選ばない柔軟性と万能性を兼ね備えているだけに、代表でも大きな力になるのは間違いない。
 
 ただ、日本代表にはモデストがいない。大迫自身が、モデストのような柱となるプレーをすることが求められるはずだ。相手のマークを一身に受けながら、ポストワーク、チャンスメイクだけでなく、ゴールに繋がるプレーができるかどうかがポイントになるだろう。
 
 ケルンでの勢いを代表チームに持ち込み、アタッキングサードでの交通渋滞を緩和させるだけの存在感を発揮してほしい。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/ドイツ・フライブルク在住の指導者。2009年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの研修を経て、フライブルガーFCでU-16やU-18の監督、FCアウゲンのU-19でヘッドコーチなどを歴任。2016-17シーズンからFCアウゲンのU-15で指揮を執る。1977年7月27日生まれ、秋田県出身。
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