【プレー分析|清武弘嗣】見せつけた香川との違い。自己流の規律と自由の“共存形”

カテゴリ:日本代表

小田智史(サッカーダイジェスト)

2016年10月07日

香川との違いを見せ、「トップ下・清武」の適応力を証明する試合だった。

イラク戦で出番のなかった香川とは、“横の幅”を使うことで違いを生み出していた。 (C)SOCCER DIGEST

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 肝となるのは、“規律を守りながら、少し自由にやってみよう”という部分。トップ下は選手が密集するピッチ中央が主戦場ゆえ、プレー回数が限られてしまう。だから、流動的にサイドへ流れることで攻撃の起点になる機会を増やしていたのだ。
 
 9月に行なわれたホームのUAE戦では、トップ下の香川が中央にステイする時間が長く、ボールを受けるプレーを制限されて目立った活躍ができなかった。一方でイラク戦の清武は、プレー回数39回のうち、左(10回)、中央(12回)、右(17回)と各エリアで偏りなくプレーを展開している。「トップ下・清武」の“柔軟性”と“適応力”が垣間見えた試合だったと言っていいだろう。

【清武のプレーデータ】※以下、( )は前半/後半の回数。データは編集部集計
出場時間:90分
プレー回数:39回(19回/20回)
→アタッキングサード 8回(4回/4回)
→ミドルサード 29回(14回/15回)
→ディフェンシブサード 2回(1回/1回)
 
パス数:30回(16回/14回)
パス成功数:26回(14回/12回)
パス成功率:86.7%(87.5%/86.2%)
 
シュート数:3回(2回/1回)
ボールロスト:6回(4回/2回)
 
▼清武がパスを出した回数(選手)ランキング
1位/本田圭佑/7回(3回/4回)
2位/岡崎慎司/6回(1回/5回)
3位/長谷部誠/4回(2回/0回)
        吉田麻也/2回(1回/1回)
        森重真人/2回(2回/0回)
        酒井宏樹/2回(2回/0回)
        山口 蛍/2回(0回/2回)
8位/原口元気/1回(1回/0回)
       柏木陽介/1回(1回/0回)
       酒井高徳/1回(1回/0回)

▼清武がパスを受けた回数(選手)ランキング
1位/岡崎慎司/6回(3回/3回)
2位/本田圭佑/5回(1回/4回)
   原口元気/5回(2回/3回)
   森重真人/5回(2回/3回)
5位/長谷部誠/3回(2回/1回)
6位/柏木陽介/2回(2回/0回)
      酒井宏樹/2回(2回/0回)
8位/酒井高徳/1回(0回/1回)
   山口 蛍/1回(0回/1回)
   小林 悠/1回(0回/1回)

 ▼イラク戦・2列目のプレー回数 ※スタメンのみ
本田圭佑 40回
清武弘嗣 38回
原口元気 27回
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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