セビージャで瞬く間に「王様」に。天才ナスリが息を吹き返す

カテゴリ:ワールド

豊福晋

2016年10月05日

フランス代表入りを拒否していることもセビージャには好都合。

開幕時には結果も残し、スタメン定着も予想された清武(右)やサラビア(左)だが、ナスリの到来によって立場は大きく変化した。 (C) REUTERS/AFLO

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 セビージャに到着したばかりの頃は、明らかに体重もオーバー気味だったが、約1か月で見事に引き締めた。
 
 ホルヘ・サンパオリ監督自身が獲得を強く望んだこともあり、先発起用が続き、ナスリが加入する前までは攻撃の中心としてプレーしていたフランコ・バスケスやパブロ・サラビア、清武弘嗣を上回る活躍を見せている。
 
 今シーズンのセビージャの2列目にはガンソも加入しており、スペイン代表のビトーロを含め、層は厚い。そのなかでもナスリは、一歩抜けた感がある。
 
 代表ウィークの時間を重視するサンパオリ監督にとって嬉しいのは、ナスリがフランス代表に合流しないという点だろう。
 
 年齢的にも実力的にも十分、代表でも活躍する可能性はあるものの、2014年夏に宣言した代表引退を撤回するつもりは毛頭ない。ナスリ自身が9月に『beIN Sports』のインタビューで、「フランス代表には行きたくない。もう十分苦しんだ」と話している。
 
 この期間にリーグ戦での疲労を休め、習得に時間のかかるサンパオリの独特のサッカーを吸収することができる。
 
 現在、首位のアトレティコ・マドリーと2位のレアルマドリーには勝点差1、そしてバルセロナ(4位)よりも上の順位に立つセビージャだが、そのサッカーの内容は決して褒められたものではなく、ファンですら、なぜこの位置にいるのかと首をかしげるほどである。
 
 そんなセビージャが今後、この位置をキープし続けるには、新加入ナスリのさらなる活躍が必須だ。
 
文:豊福 晋
 
【著者プロフィール】
とよふく・しん/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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