問題の「PK奪い合い」もむしろポジティブ? マンC撃破のトッテナム指揮官が掴んだ手応え

カテゴリ:ワールド

山中忍

2016年10月05日

控えめに喜んだポチェティーノ。

アグレッシブなプレスを立ち上がりから掛け続けさせたポチェティーノ。チームはそれを見事に完遂し、上位対決をモノにした。 (C) Getty Images

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 それでも、ポチェティーノが「ほぼ」と完璧度を弱めた理由があるとすれば、狙っていた3点目を奪い損ねたことだろう。ソンとボールを奪い合った末に蹴ったエリック・ラメラの65分のPK失敗だ。
 
 両者の口論は写真付きで各紙のスポーツ面を飾った。半ば、価値ある勝利における汚点のような扱いだった。
 
 キッカーを巡る衝突には複数の前例があるが、その一つでもある2000年にパオロ・ディ・カーニオと演じた小競り合いをフランク・ランパードは、「ちょっと恥ずかしいな(笑)」とチェルシー時代に振り返ってくれたことがある。トッテナムの2人にも苦笑しながら反省する日が訪れるのかもしれない。
 
 だが現時点での両者は、形振り構わずに存在感アピールを狙っても良いと思える部分もある。互いに絶対的な主力にはなり切れていない24歳。指揮官も「誰も蹴りたがらないよりよっぽど良い」と、意に介する様子は見せていない。しこりを残さなければ、健全な「戦闘意欲」の一部だ。
 
 それがポチェティーノのトッテナム、そしてプレミアの魅力であるように。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 
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