控えめに喜んだポチェティーノ。
それでも、ポチェティーノが「ほぼ」と完璧度を弱めた理由があるとすれば、狙っていた3点目を奪い損ねたことだろう。ソンとボールを奪い合った末に蹴ったエリック・ラメラの65分のPK失敗だ。
両者の口論は写真付きで各紙のスポーツ面を飾った。半ば、価値ある勝利における汚点のような扱いだった。
キッカーを巡る衝突には複数の前例があるが、その一つでもある2000年にパオロ・ディ・カーニオと演じた小競り合いをフランク・ランパードは、「ちょっと恥ずかしいな(笑)」とチェルシー時代に振り返ってくれたことがある。トッテナムの2人にも苦笑しながら反省する日が訪れるのかもしれない。
だが現時点での両者は、形振り構わずに存在感アピールを狙っても良いと思える部分もある。互いに絶対的な主力にはなり切れていない24歳。指揮官も「誰も蹴りたがらないよりよっぽど良い」と、意に介する様子は見せていない。しこりを残さなければ、健全な「戦闘意欲」の一部だ。
それがポチェティーノのトッテナム、そしてプレミアの魅力であるように。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
両者の口論は写真付きで各紙のスポーツ面を飾った。半ば、価値ある勝利における汚点のような扱いだった。
キッカーを巡る衝突には複数の前例があるが、その一つでもある2000年にパオロ・ディ・カーニオと演じた小競り合いをフランク・ランパードは、「ちょっと恥ずかしいな(笑)」とチェルシー時代に振り返ってくれたことがある。トッテナムの2人にも苦笑しながら反省する日が訪れるのかもしれない。
だが現時点での両者は、形振り構わずに存在感アピールを狙っても良いと思える部分もある。互いに絶対的な主力にはなり切れていない24歳。指揮官も「誰も蹴りたがらないよりよっぽど良い」と、意に介する様子は見せていない。しこりを残さなければ、健全な「戦闘意欲」の一部だ。
それがポチェティーノのトッテナム、そしてプレミアの魅力であるように。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。