【鳥栖】ループシュートに抜群の反応も…。林彰洋は己に高いレベルの注文をつけ続ける

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年09月26日

「もうちょっとセーフティなところに弾けていれば…」

常に自分に対して高いレベルの注文をつける。その姿勢が林を日本屈指のGKたらしめいている。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 58分、自陣右からのCKに飛び出してボールを外へと弾く。だが、その先に待っていたのは味方ではなかった。鋭いシュートがゴールマウスを襲う。それはセーブした。だが……。
 
 再び、ボールは大宮の選手の足もとに転がり、家長によってついに鳥栖のゴールネットは揺らされてしまった。
 
「(CKの)フィスティング後のセービングで、もうちょっとセーフティなところに弾けていれば相手の攻撃を切ることができた場面だった。もちろん簡単なシュートではなかったが、それが今の課題。
 
 プレーを一旦終わらせる、相手の攻撃から逃れる機会があるのにプレーを切れないことが失点につながっている。そこをしっかりすれば、今まで完封できなかった試合を、運ではなく実力でゼロで終われるようになると思う」
 
 ペナルティエリア外と表現しにくい、ライン上からの強烈なシュート。しかも林は定位置よりも前にいる。その状況では最初の段階で得点を奪われてもしょうがないように思える。それに反応した。
 
 しかし、好守に見えようとも、最終的に失点しては意味のないことなのだ。だからこそ、林からは次々に「こうすれば良かった」「こうしなければならない」という己への注文が溢れ出てくる。
 
 記者の「終盤に決定的なシーンをふたつ防いで、引き分けに貢献したが?」という問いに、「それよりも失点の場面を」と、わざわざ自分からダメ出しを切り出す。
 
 常に先へ、もう一歩前へ――。林にとっては、クリーンシートを達成したとしても、完璧と言ってもいいようなパフォーマンスなど存在しないのかもしれない。日本代表に選ばれる必然を見せつけられた気がした。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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