伊東が柏に移籍後、初ゴールを挙げた相手も、鹿島だった。
 
　第１ステージの８節、伊東は試合開始直後から快速を生かして好パフォーマンスを見せていた。そして前半アディショナルタイム、サイドでボールを受けると一気に加速し、DFをダブルタッチでかわすと、追走をものともせず、ゴール左隅にシュートを突き刺した。さらに後半には、背後へ抜け出し、追加点をアシスト。この日の活躍によって、伊東は一躍名を挙げた。そして、その時に対峙していたDFが、山本だったのだ。
 
「先発は、いつもは左サイドのクリスティアーノ選手が右サイドで、変えてきたかという感じでした。ただ、どっちにしても伊東選手は出てくるかなと思っていました」
 
　山本も当然、伊東のことは意識して、注意をしていたはずだった。
 
　しかし、伊東の脳裏には、第１ステージでの対戦の印象が色濃く残っており、それは確かな自信となっていた。
 
「（鹿島に対して）良いイメージは持っていた。サイドで持ったらいつもどおり仕掛けて、クロスを上げたり、カットインしてシュートしたり、そういうプレーを意識していて、シュートは打てなかったですけど、クロスはうまくいきました」
 
　こうして、第２ステージでも山本を手玉に取り、まさに〝鹿島キラー″と呼ぶべき活躍を披露した。

　ちなみに、伊東が移籍後２点目を挙げた相手は、神戸。次節の柏の相手だ。
 
〝神戸キラー″誕生の予感がしてならない。
 
取材・文：多田哲平（サッカーダイジェストWEB編集部）