【日本代表】“崖っぷち”に追い詰められた香川。「10番」に審判はいつ下るのか

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年09月08日

まるで膨れ上がる焦燥を押し隠すように――。

スルーパスに抜け出してGKと1対1の場面でも、ネットを揺らせず……。反省を口にする香川は「前を向いてやるしかない」と気丈に振る舞った。(C)SOCCER DIGEST

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 現状のままでは、スタメンを外されても不思議ではない。トップ下を争う清武は、代表での存在感を増しつつある。迫りくるライバルとは、しかし同じピッチに立てば息の合った連係を見せるだけに、清武を左ウイングに配し、トップ下・香川との「共存」は日本の大きな武器になる可能性を秘めている。
 
 タイ戦では結果を残せなかった。ただ、ゴールチャンスを捻出できているのは悪いことではない。あと一歩。そういう見方もできるし、勝負弱さを露呈したとも言える。
 
 当の香川は、険しい表情で想いを吐き出す。
 
「(ゴールできなかったのは)課題だし、決めなければいけない。ただもう、結果は出ていて、チームも勝った。前を向いてやるしかない」
 
 9月シリーズは「改めて、最終予選の難しさや厳しさを感じる2試合だった」と振り返る。「みんなで勝ち取った」とタイ戦の勝利に胸を撫でおろしつつ、視線はすでに次の戦いに向けられていた。
 
「また来月、本当に厳しい2試合が待っている。(そこに向けて)日頃からしっかとやり続けるしかない」
 
 香川はまだなにもあきらめてはいない。「やり続ける」「前を見続ける」「継続」という言葉を繰り返す。それはまるで、膨れ上がる焦燥を押し隠すようにも聞こえた。
 
 9月シリーズで2試合ともフル出場を果たした攻撃の選手は、香川だけだ。唯一、トップ下にだけ手をつけなかったハリルホジッチ監督が、いつ“決断”を下すかは分からない。時間はあまり残されていない。次の10月シリーズで、香川にはひとつの審判が下されるだろう。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 

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