リーグ戦は残り７試合。J1残留圏の15位の甲府とは、年間順位で勝点８差がついてしまった。逆転するにはかなり厳しい状況だ。
 
　それでも、終盤には同じくJ1残留を争う磐田、甲府、名古屋との直接対決を残すなど、挽回の余地は少なからず残っている。９月17日には年間18位の福岡とのサバイバルマッチが控える。
 
「何度も同じことを繰り返している。理由を探すのも難しい。２失点はいずれももったいなかった……。グラウンドではポジティブな声を掛け合えているし、一丸となってなるしかない」（岡本拓也）
 
「誰もが折れずにやっていて、良い内容でできていた。だから悔しいし、もどかしい……。相手（G大阪）は最後の勝負どころで力を発揮していた。そこの差が身に染みた。今こそ僕が引っ張っていかないといけない」（菊池大介）
 
　答えなき深い闇に潜り込み、選手たちは首を捻り言葉を失くす。それでも光を求めて、上を向こうとしていた。
 
「来年J1でやるために、決して下を向かず、選手と一緒にこの状況を乗り越えようと思う。このちょっとした中断期間で上手くメンタルをコントロールし、絶対に勝ち取りたい」（曺貴裁監督）
 
　日はまた昇る。敗戦のダメージが色濃く残る至る所に傷と水溜りができたピッチ。そこに現われた鮮やかなベルマーレグリーンの背番号１は、まさに太陽のように見えた。
 
J1残留へ――。誰も諦めていない。
 

取材・文：塚越 始（サッカーダイジェスト編集部）