「チームとして狙いをもっと合わせていきたい」
QPR戦で気になったのは、バーミンガムの戦い方だった。前半は、CFにドイツの長身マーヴィン・ドゥクシュを起用。31歳FWはスピードもさほどなく、最前線に残ってポストプレーをこなしながら、クロスボールやロングボールの基準点として機能していた。チームとしても、シンプルにクロスを放り込むシーンが多かった。
ところが後半開始時、188センチの巨漢FWに代えて古橋が投入される。この両者は、プレースタイルがまったく異なる。古橋が活躍していない理由は、このあたりにあるように思えた。
そこで、QPR戦でフル出場したバーミンガムのMF岩田智輝に聞いてみた。「後半から古橋選手が入りましたが、前半にセンターフォワードでプレーしたドゥクシュ選手とはタイプがまったく違いました。チームとしてやり方を変えている、ということはあるのでしょうか?」。岩田はこう答えた。
「やっぱり、キョウゴ君は裏抜けがうまい。相手のディフェンスラインが高かったので、監督の意図としては、そこを求めていたのだと思います。だけど(味方が)うまくそこに蹴れてなかったのと、チームとしても狙えていなかった。深い位置でボールを持つこともできていなかったです。キョウゴ君の良さである『クロスに合わせる』プレー自体も少なかった。誰かのためにというより、チームとして狙いをもっと合わせていきたいと思います」
さらに岩田に聞いた。「後半終盤に、古橋選手がニアでクロスに合わせるシーンがありました。あれこそ真骨頂かと思いましたが、ああいう形は練習から取り組んでいるのですか?」と。岩田は言う。
「はい、やってます。ただ『この選手が出たからこうしよう』というのはあまりないですね。まずチームとしてのやり方があって、それを共通認識としてやっているという感じですね」
ところが後半開始時、188センチの巨漢FWに代えて古橋が投入される。この両者は、プレースタイルがまったく異なる。古橋が活躍していない理由は、このあたりにあるように思えた。
そこで、QPR戦でフル出場したバーミンガムのMF岩田智輝に聞いてみた。「後半から古橋選手が入りましたが、前半にセンターフォワードでプレーしたドゥクシュ選手とはタイプがまったく違いました。チームとしてやり方を変えている、ということはあるのでしょうか?」。岩田はこう答えた。
「やっぱり、キョウゴ君は裏抜けがうまい。相手のディフェンスラインが高かったので、監督の意図としては、そこを求めていたのだと思います。だけど(味方が)うまくそこに蹴れてなかったのと、チームとしても狙えていなかった。深い位置でボールを持つこともできていなかったです。キョウゴ君の良さである『クロスに合わせる』プレー自体も少なかった。誰かのためにというより、チームとして狙いをもっと合わせていきたいと思います」
さらに岩田に聞いた。「後半終盤に、古橋選手がニアでクロスに合わせるシーンがありました。あれこそ真骨頂かと思いましたが、ああいう形は練習から取り組んでいるのですか?」と。岩田は言う。
「はい、やってます。ただ『この選手が出たからこうしよう』というのはあまりないですね。まずチームとしてのやり方があって、それを共通認識としてやっているという感じですね」
古橋は、極めて際立った特長を持つ選手だ。
振り返ると、セルティック時代の古橋には明確なゴールパターンがあった。
たとえば、セルティックがボールをキープして相手陣内に押し込んでいる場面。ウインガーが深い位置からクロスボールを供給すると、古橋はピンポイントで合わせて鮮やかに決めた。PA内での鋭い切り返しと素早い動きでフリーになり、クロスをゴールに結びつけたのである。こうした古橋の動きはまさに一級品だった。
そして敵チームが前に出てくれば、古橋はディフェンスラインの裏に抜け、縦パスからネットを揺らす。自慢のスピードとゴール嗅覚を活かし、クロス、縦パスにピンポイントで合わせることでゴールを量産した。
バーミンガムでも、こうした動き自体は錆びついていないように見える。むしろ気になったのは、バーミンガムがチームとして古橋の活かし方を、まだ完全に消化できていない点だ。特長のある選手だけに、古橋に合わせた戦術の落とし込みも、チームとして必要だろう。
一方で、古橋自身にも歩み寄りは求められる。スコットランドリーグにおけるセルティックは、まさに“王様”のような存在だった。チームとしてボールを支配し、チャンスの数も圧倒的に多かった。ポステコグルー体制のセルティックは、古橋のプレースタイルに完璧にフィットしたチームだった。
だが、チャンピオンシップのバーミンガムは、そうもいかない。格下にまわる試合も多く、劣勢の中でチャンスを強引にもぎ取る必要もある。加えて、古橋がバーミンガムで決定機のシュートミスがあったように、揺るぎない自信を取り戻すことも活躍には不可欠だ。
デイビス監督は「キョウゴは必ず点を取る」と言い切る。実際、そうなる可能性は高いだろう。だがゴールの量産態勢に入るためには、チームとしての戦術浸透、そして古橋自身もプレーの幅を広げていくことが求められそうだ。
取材・文●田嶋コウスケ
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振り返ると、セルティック時代の古橋には明確なゴールパターンがあった。
たとえば、セルティックがボールをキープして相手陣内に押し込んでいる場面。ウインガーが深い位置からクロスボールを供給すると、古橋はピンポイントで合わせて鮮やかに決めた。PA内での鋭い切り返しと素早い動きでフリーになり、クロスをゴールに結びつけたのである。こうした古橋の動きはまさに一級品だった。
そして敵チームが前に出てくれば、古橋はディフェンスラインの裏に抜け、縦パスからネットを揺らす。自慢のスピードとゴール嗅覚を活かし、クロス、縦パスにピンポイントで合わせることでゴールを量産した。
バーミンガムでも、こうした動き自体は錆びついていないように見える。むしろ気になったのは、バーミンガムがチームとして古橋の活かし方を、まだ完全に消化できていない点だ。特長のある選手だけに、古橋に合わせた戦術の落とし込みも、チームとして必要だろう。
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