呼吸が合わなかったり、スルーパスが出てこなかったり
FW古橋亨梧が苦戦している。
イングランド2部バーミンガム・シティに移籍したのは今年7月。移籍金は非公表だが、地元メディアによると900万ユーロ程度(約16億円)と見られている。
なおこの金額は、イングランド3部から2部に昇格した同クラブにおいて、今夏の移籍市場で最高額だ。2位のテイラー・ガードナー=ヒックマンが移籍金240万ユーロ(約4億円)とされていることからも、古橋が「今夏市場の目玉」だったことが分かる。
しかし、である。チャンピオンシップ21節終了時で、古橋のリーグ得点数はゼロ。リーグカップで1ゴールを挙げているものの、優先順位の高いリーグ戦ではいまだにネットを揺らしていない。
また、リーグ出場数は19試合にのぼるが、先発出場はわずか5試合。期待を大きく下回る数字と言わざるを得ない。移籍金が高額だった分、地元メディアのバーミンガム・ライブが「大金を投じた判断は間違いだったのか?」と伝えているように、失望の色は大きいようだ。
もちろん、古橋は輝かしい実績を誇る。21年夏の移籍市場で、アンジェ・ポステコグルー監督のラブコールを受け、セルティックに移籍。1年目でリーグ戦では12ゴールを挙げ、スコティッシュ・プレミアリーグ優勝に貢献した。
そして在籍2年目にはリーグ戦で27ゴールと大爆発。このシーズンは、得点王とリーグ年間最優秀選手賞、PFA年間最優秀選手賞(※選手投票)、記者協会・年間最優秀選手賞と、個人賞を総ナメにした。セルティックに古橋亨梧あり──。そう言われるにふさわしい、強烈なインパクトを残した。
イングランド2部バーミンガム・シティに移籍したのは今年7月。移籍金は非公表だが、地元メディアによると900万ユーロ程度(約16億円)と見られている。
なおこの金額は、イングランド3部から2部に昇格した同クラブにおいて、今夏の移籍市場で最高額だ。2位のテイラー・ガードナー=ヒックマンが移籍金240万ユーロ(約4億円)とされていることからも、古橋が「今夏市場の目玉」だったことが分かる。
しかし、である。チャンピオンシップ21節終了時で、古橋のリーグ得点数はゼロ。リーグカップで1ゴールを挙げているものの、優先順位の高いリーグ戦ではいまだにネットを揺らしていない。
また、リーグ出場数は19試合にのぼるが、先発出場はわずか5試合。期待を大きく下回る数字と言わざるを得ない。移籍金が高額だった分、地元メディアのバーミンガム・ライブが「大金を投じた判断は間違いだったのか?」と伝えているように、失望の色は大きいようだ。
もちろん、古橋は輝かしい実績を誇る。21年夏の移籍市場で、アンジェ・ポステコグルー監督のラブコールを受け、セルティックに移籍。1年目でリーグ戦では12ゴールを挙げ、スコティッシュ・プレミアリーグ優勝に貢献した。
そして在籍2年目にはリーグ戦で27ゴールと大爆発。このシーズンは、得点王とリーグ年間最優秀選手賞、PFA年間最優秀選手賞(※選手投票)、記者協会・年間最優秀選手賞と、個人賞を総ナメにした。セルティックに古橋亨梧あり──。そう言われるにふさわしい、強烈なインパクトを残した。
ところが、監督がポステコグルーからブレンダン・ロジャーズに替わると、古橋の序列は徐々に低下していく。25年1月にはフランスのスタッド・レンヌへシーズン途中で移籍したが、ひとつのゴールも挙げられなかった。
迎えた今夏の移籍市場で、古橋の獲得に名乗りを挙げたのがバーミンガムだった。指揮官のクリス・デイビスはこう語っていた。
「1年前なら、この補強は実現しなかった。キョウゴはセルティックのストライカーだったからだ。フランスでの生活に馴染んでいないと聞き、獲得のチャンスがあると思った。キョウゴは、我々のプレースタイルに合っている。プレスを積極的にかけるし、スピードもある」
当の古橋も、バーミンガム加入時に「チームの力になりたい。プレミアリーグに昇格できるチャンスはあると思う」と語り、1部昇格を目標に掲げていた。
だが、シーズンの折り返し地点に入ろうとしている現在も、結果はついてきていない。チームは13位。地元紙バーミンガム・メールは「古橋がチャンスを逃すたびに、サポーターは失望の声を上げている」と報じ、ここまで期待外れに終わっていると指摘した。
筆者が取材したQPR対バーミンガム戦で、その古橋が後半開始時から出場した。ポジションは4-2-3-1のCF。ピッチに入ると、古橋は随所に「らしさ」を見せた。
自軍のボール保持になれば、古橋は相手ディフェンスラインの周辺に陣取り、裏抜けで味方のラストパスを引き出そうとする。チームが敵陣深くまで押し込めば、ペナルティエリア内で何度も切り替えして、フリーでクロスやパスを受けようとした。
動きにはスピードがあって鋭い。プレースタイルも動きのキレも、セルティック時代と大きく変わっていないように映った。
最大のチャンスは後半の終盤に訪れた。左サイドで、ウインガーのデマライ・グレイがボールをキープ。岡崎慎司が在籍時のレスターで活躍したこのグレイがクロスボールを入れようとすると、古橋はニアサイドに猛スピードで飛び込んだ。グレイが完璧なタイミングで速いクロスを入れ、古橋もピンポイントで合わせたが、相手選手にブロックされた。惜しくもゴールにはならなかったものの、古橋の持ち味が存分に活きた決定機だった。
一方で、味方とパスの呼吸が合わなかったり、スルーパスが出てこなかったりする場面も少なくなかった。最終的に古橋はネットを揺らすことができず、チームは1-2で敗戦。翌節のチャールトン戦でも古橋は82分から途中出場したが、この試合も無得点に終わった。
迎えた今夏の移籍市場で、古橋の獲得に名乗りを挙げたのがバーミンガムだった。指揮官のクリス・デイビスはこう語っていた。
「1年前なら、この補強は実現しなかった。キョウゴはセルティックのストライカーだったからだ。フランスでの生活に馴染んでいないと聞き、獲得のチャンスがあると思った。キョウゴは、我々のプレースタイルに合っている。プレスを積極的にかけるし、スピードもある」
当の古橋も、バーミンガム加入時に「チームの力になりたい。プレミアリーグに昇格できるチャンスはあると思う」と語り、1部昇格を目標に掲げていた。
だが、シーズンの折り返し地点に入ろうとしている現在も、結果はついてきていない。チームは13位。地元紙バーミンガム・メールは「古橋がチャンスを逃すたびに、サポーターは失望の声を上げている」と報じ、ここまで期待外れに終わっていると指摘した。
筆者が取材したQPR対バーミンガム戦で、その古橋が後半開始時から出場した。ポジションは4-2-3-1のCF。ピッチに入ると、古橋は随所に「らしさ」を見せた。
自軍のボール保持になれば、古橋は相手ディフェンスラインの周辺に陣取り、裏抜けで味方のラストパスを引き出そうとする。チームが敵陣深くまで押し込めば、ペナルティエリア内で何度も切り替えして、フリーでクロスやパスを受けようとした。
動きにはスピードがあって鋭い。プレースタイルも動きのキレも、セルティック時代と大きく変わっていないように映った。
最大のチャンスは後半の終盤に訪れた。左サイドで、ウインガーのデマライ・グレイがボールをキープ。岡崎慎司が在籍時のレスターで活躍したこのグレイがクロスボールを入れようとすると、古橋はニアサイドに猛スピードで飛び込んだ。グレイが完璧なタイミングで速いクロスを入れ、古橋もピンポイントで合わせたが、相手選手にブロックされた。惜しくもゴールにはならなかったものの、古橋の持ち味が存分に活きた決定機だった。
一方で、味方とパスの呼吸が合わなかったり、スルーパスが出てこなかったりする場面も少なくなかった。最終的に古橋はネットを揺らすことができず、チームは1-2で敗戦。翌節のチャールトン戦でも古橋は82分から途中出場したが、この試合も無得点に終わった。




















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