来季のＪ１川崎フロンターレ入りが内定した大黒柱のＭＦ長璃喜（３年）は、10月３日の練習中に左足首を負傷した影響もあり、年末年始の大舞台に向け大事を取って川崎戦を欠場。長とともに攻撃陣をリードしたのがＭＦ山口豪太（３年）で、来季Ｊ２湘南ベルマーレ加入が内定している、もうひとりのエースだ。

　６月の全国高校総体（インターハイ）予選、11月の全国高校選手権予選を制し、もうひとつの目標がプレミアリーグ王者だった。山口は「前半戦の途中まではいい感じだったのですが、青森山田に敗れて４連敗したあたりから自分たちのサッカーを見失ってしまった」と振り返る。

　手放しかけた自信を取り戻したのが選手権予選だという。初戦の準々決勝と準決勝とも先制されながらＰＫ戦と延長戦を制し、武南との決勝も内容では劣っていたが後半追加タイムに決勝点を奪って７度目の頂点に立った。「あの粘り強さこそうちらしさだと思う。今日は負けましたが、予選後のプレミア４試合の内容は悪くなかったので、選手権に向けていい方向に進んでいます。プレミアの順位を悲観することはありません」と、高校生を代表する魅力的なＭＦは力を込めて言い放った。

　12月28日に開幕する第104回全国高校選手権には２年ぶり７度目の出場を果たし、高知（高知）と対戦する２回戦が初戦となる。伊藤は「今日の敗戦が意味あるものにするためにも、２失点した反省を修正して初戦を迎えたい。守備はもちろん、セットプレーでも得点に絡んでチームを助けられるように戦うだけです」と主将らしい言葉で結んだ。
 

　これまでの最高成績は第98、99回大会のベスト８とあり、Ｕ－16日本代表として10月のウズベキスタン遠征に参加した立野は、「チームを救うストライカーらしく１試合１点は取りたい。みんなで団結して優勝を狙います」と目標を口にした。

　この後、初戦までに練習試合を二度こなす予定だ。芦田監督は「ここにきて彼ららしいゲームができるようになった。調整は順調にきていると思うので、あとはコンディションを整えて臨みたい」と述べた。

　昌平は現チームディレクターの藤島崇之監督が07年４月から23年９月まで指揮を執り、昨年は元日本代表ＭＦ玉田圭司氏が監督に就任し、全国高校総体で初優勝を飾った。玉田監督が今季、Ｊリーグ名古屋グランパスのトップチームコーチに転身したため、藤島氏の順天堂大学の先輩で、市立長野（長野）を全国高校総体と全国高校選手権に計３度導いた芦田監督を招請し、新体制で臨んだ。

取材・文●河野 正
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