もう少し岩田に聞いた。

「３つのポジションでチームを支えていることに、やりがいを感じていますか？」。そう質問すると、岩田は「もちろん」と即答し、次のように言葉を紡いだ。

「やっぱり選手として、試合に出るのが一番だと思ってます。そこで『何ができるか』。このチームに移籍してきた理由として、やっぱり『試合に出たい』という思いが一番だった。そういう意味でも、どのポジションでもチームの助けになれたら自分は嬉しいです。逆に試合に出場している身としては、チームをもっと勝たせないといけないと思っています。出場して勝利に貢献するのが一番のタスクですから」

　初挑戦のチャンピオンシップの印象については、こう語る。

「巧い選手やクオリティのある選手はいますけど、自分としては、まったくやれないわけではない。球際や身体の強さの部分で、全然勝てる部分はある。デュエルの勝率を上げていかないと」

　現在11位のチームについては「納得いってない。負けた試合でも、もっとうまくやれば勝てた試合もあった。自分たちの隙を見せた試合が多い。クオリティを上げて、もっと勝っていけたら」と話した。
 

　昨季のイングランド３部から、今季は２部で戦っているバーミンガム。もちろん目ざすはプレミアリーグ昇格だ。プレーオフ出場圏内の６位まで３ポイント差であり、夢はまだ終わってはいない。

　そのなかで岩田を突き動かしている原動力は「試合に出たい」「もっと勝ちたい」という強い思いだ。その思いを胸に、岩田は今日もピッチに立つ。

　ポジションはどこであれ、チームを前に進めるために走り続ける存在であることに変わりはない。バーミンガムの戦いにおいて、岩田の存在は、これからますます大きな意味を持ってくるはずだ。

取材・文●田嶋コウスケ

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