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[本田泰人の眼]不変のキックモーション。だから敵は読めない。ガーナ戦で2点目を奪った堂安律。一流選手であることを証明した

カテゴリ:日本代表

本田泰人

2025年11月16日

インターセプト能力、球際の強さ、ボールを奪ったあとの推進力

佐野は攻守の両局面で存在感を発揮。文句なしのMVPだ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 ただ、調整試合とはいえ収穫はある。一つは異彩を放っていた佐野のパフォーマンスだ。

 先制点の起点になったほか、彼のインターセプト能力、球際の強さ、ボールを奪ったあとの推進力など、両チーム合わせても出色の働きだった。文句なしのMVPだ。

 ボランチは特に主力の怪我やコンディション不良が相次ぐだけに、佐野の存在感が増してきたことは、代表チームにとってポジティブな収穫だ。

 守田英正や遠藤航が怪我などでコンディションが上がり切っていないなか、現在のボランチの序列は佐野が一番手になったと言えるだろう。

 佐野の魅力は、デュエルの強さだけではなく、スタミナも持ち合わせた、タフさにある。ガーナ戦ではフル出場したが、次節のボリビア戦でもフル出場できるはずだ。

 森保監督はボランチで遠藤&鎌田大地の2人を選ぶ可能性が高いが、佐野&遠藤は、チームの守備力を最も高める組み合わせ。強豪チームとの対戦を見据えてフィットさせておきたい。
 
 ガーナ戦のもう一つの収穫は、堂安だ。左足で決めたチーム2点目は、彼が一流選手であることを証明してみせた。

 この日、堂安がペナルティエリア内でボールを受けたのは、おそらくこの得点シーンの1回だけだったはずだが、ワンチャンスをモノにする勝負強さもさることながら、あのキックモーションにこそ堂安の魅力が詰まっていた。

 堂安の蹴り方は、いつも同じモーションだ。だから相手ディフェンダーやゴールキーパーからすると、ニアサイドに来るのか、ファーサイドに来るか読みづらい。

 久保や中村俊輔にも同じことが言えるのだが、シュートを打つ時、パスを出す時はいつも同じ蹴り方だ。

 モーション、入り方、角度、身体の向き、頭の位置...。それが一つでも違うと、敵にバレてしまう。すべて一緒なのが一流選手であり、ゴールを決められる選手の共通点として挙げられる。

 堂安の得点では、何気ないシュートに見えたかもしれないが、ニアでもファーでも決められるのは、こうした背景があるからだ。

 ガーナ戦で途中出場した選手のパフォーマンスに関しては、個人的には不満だ。

 2点をリードしてから、68分に菅原由勢と藤田譲瑠チマ、75分に安藤智哉、北野、後藤、82分に佐藤龍之介がピッチに送り出されたが、どの選手も無難なプレーに終始して、インパクトを残せなかったのは残念だった。もっと堂安や久保のようにギラギラしたものを見せてほしい。

 次の相手は南米のボリビア。要求したいのは、ガーナ戦の1点目のようなシーンを多く作り出すことだ。守備の準備と予測をし、一気のショートカウンターを意図的にどんどん狙ってほしい。

 ボールを奪った瞬間、全選手の矢印が相手のゴールに向かい、一気にフィニッシュまで持っていく。守備から攻撃への素早いスイッチは、ワールドカップ本番での強豪国との試合でも必ず生きてくるはずだ。
 
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