J3高知が山本代表取締役の疑惑に関する調査結果を報告。「パワーハラスメントに該当するとまでは認められなかった」と公表。明らかになった新たな問題には厳重注意
カテゴリ:Jリーグ
2025年11月11日
「不安や負担をかけてしまったスタッフには大変申し訳なく思っております」
なお、調査結果や処分内容、再発防止策および山本代表取締役と森下勝彦代表取締役会長のコメントの詳細は以下のとおり。
■内部調査委員会の調査結果について
【調査対象】
スタッフから外部相談窓口に対して提出された「健全で安全な業務を行なうための申し立てについて」と題する書面に精神的苦痛を受けた事例として記載された事案について、事実関係を調査。
【調査期間】
・ヒアリング等実施期間:令和7年10月1日から同年 10月27日まで
・報告書とりまとめ期間:令和7年10月28日から同年 11月4日まで
【調査結果】
(1) パワーハラスメント該当性の判断
いずれの項目についてもパワーハラスメントに該当するとまでは認められなかった。
(2) 職場環境・管理上の所見(調査を通じて判明した事項)
調査過程において、雇用上の問題や職場マネージメント上の課題が認められた。山本氏の代表取締役社長という地位・職責に鑑みれば、立場の差は歴然であり、その言動の影響力は極めて大きく、結果としてスタッフに心理的な萎縮を生じさせた可能性は否定できない。
■内部調査委員会の調査結果について
【調査対象】
スタッフから外部相談窓口に対して提出された「健全で安全な業務を行なうための申し立てについて」と題する書面に精神的苦痛を受けた事例として記載された事案について、事実関係を調査。
【調査期間】
・ヒアリング等実施期間:令和7年10月1日から同年 10月27日まで
・報告書とりまとめ期間:令和7年10月28日から同年 11月4日まで
【調査結果】
(1) パワーハラスメント該当性の判断
いずれの項目についてもパワーハラスメントに該当するとまでは認められなかった。
(2) 職場環境・管理上の所見(調査を通じて判明した事項)
調査過程において、雇用上の問題や職場マネージメント上の課題が認められた。山本氏の代表取締役社長という地位・職責に鑑みれば、立場の差は歴然であり、その言動の影響力は極めて大きく、結果としてスタッフに心理的な萎縮を生じさせた可能性は否定できない。
ついては、以下のとおり、早期の是正・改善を求めるもの。
①雇用上の問題
・給与等支払いに関する点
スタッフが入社前に会社の行事・研修に参加したところ、その対価や交通費・宿泊費等が支払われていないということが判明した。行事・研修への参加は、一般的に業務と判断でき、労働基準法違反ともなりうる行為であるため、会社として今後、給与等支払いへの適切な対応が求められる。
・雇用契約書の締結及び労働条件通知書の交付に関する点
スタッフとの間で雇用契約書の作成・締結がされていないことが判明した。実際雇用後に労使間で雇用内容について認識の相違が生じており、今後是正が必要。
また労働条件通知書が交付されていないことも判明した。労働条件を記した書面の交付は法律上必須とされており、労働基準法違反が疑われるため、直ちに是正が必要。
②職場マネージメント上の問題
山本氏の言動により、スタッフが精神的負担を負っているとの申告がなされていることや、スタッフとのコミュニケーション不足によりもたらされていると思われるスタッフとの行き違いが発生していること等により、スタッフが働きにくさを感じる労働環境になっていることが認められる。
また、上記の通り雇用上の問題が疑われる不安定な雇用関係の中で、スタッフは、自身の雇用について不安・不信を抱きながら就業していたことが窺われ、そのような土壌の中で、本件申告に至っていることに着目する必要がある。
組織運営上、スタッフの心理的安全性の確保や開かれたコミュニケーションの促進の観点から、早期の改善を要する。
■今回の件における処分について
内部調査委員会の報告を受け、11月10日に取締役会を開催し、当社として以下の通り決定しました。
【処分内容】
・取締役会問責決議による厳重注意処分
パワーハラスメントに該当するとまでは認められなかったが、コンプライアンス違反を疑われる行為や職場マネージメントの不足により労働環境の悪化を引き起こしていたことは、スタッフの管理監督責任を負う立場である社長として、労働者の安全配慮義務を果たしていたとは言えないため。
【今後について】
雇用上の問題など、コンプライアンス違反を疑われる行為については、早急に是正するとともに、社内ルールや内部統制の整備をすすめ、職場環境の改善を図ってまいります。
また、合わせて、9月19日付けで決定した再発防止策についても見直しを図り、再度社内で徹底することで、再発防止に取り組んでまいります。
■再発防止策について
【1】組織体制の見直しによるガバナンス強化
・コンプライアンス規程の整備を行ない、ハラスメント行為を許容しないことを全関係者へ周知・啓発を徹底。
・各種決裁手続き、および権限規程等を整備することで管理体制を再構築。
・新たに執行役員制を導入するとともに、GM職を設け、指揮命令系統を見直し。
・スタッフの兼務業務を制限し、担当業務に集中できる環境を整備。
【2】内部・外部相談窓口の設置
・内部相談窓口:総務部、強化部
・外部相談窓口:社外取締役
【3】定期的な面談の実施
・会長、または会長が指名するものが、年5回程度、面前あるいはWeb等にて選手、スタッフと面談を実施。
【4】研修体制の強化
・全選手、スタッフがコンプライアンス研修を年2回程度受講し意識の醸成を図るとともに、Jリーグ主催の研修会にも積極的に参加。
■代表取締役社長山本志穂美氏 コメント
「この度、私に対してスタッフからハラスメントの申し立てにつきまして、多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
調査結果では、パワーハラスメントの認定はされず疑いが晴れて安心致しました。しかし、私の言動等により不安や負担をかけてしまったスタッフには大変申し訳なく思っております。
昨年より、社長に就任しJリーグ参入やJリーグクラブとしての成長を目指して懸命に取り組んで参りました。その中で、体制的に厳しかったこともあり、社長である私自身が率先して業務を行なっていかなければならなかったことに加え、本来の社長業務である会社のマネージメント部分が手薄になっていたように思います。
今後は、二度と同じことが起きないよう、経営経験が豊富な森下会長の下、社外取締役の皆さまや関係者の皆さまからのお力をお借りしながら、より良いクラブ創りを共に行なってまいりたいと思います。
今季は早いもので残り3試合となりました。皆様と創り上げたJリーグクラブを守り抜くため、地域に愛され必要とされるクラブになるべく更に精進して参りますので、皆様の応援を賜われますよう引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」
■代表取締役会長森下勝彦氏 コメント
「この度、弊社代表取締役社長山本志穂美に対して職員から精神的苦痛を受けたと外部相談窓口へ相談があったことにつきまして、前監督の問題から引き続き、ファン・サポーターの皆さま、スポンサーの皆さま、また高知県初のJリーグクラブとして活動を応援してくださっていた高知県民の皆さまや関係者の皆さまには、多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
シーズン終盤の大事な時期にも関わらず、再度、調査に入ったことから、皆さまがサッカーに集中できない環境にしてしまったことを重ねてお詫び申し上げます。早期の調査完了を目指しておりましたが、関係者で非常に慎重に協議・検討を進めてきましたため、報告までお時間いただきましたこと、何卒、ご理解賜れますと幸いです。
今回、内部調査委員会の調査では、パワーハラスメントと認定されるまでには至りませんでしたが、コンプライアンス違反を疑われる事案や職場マネージメント上における問題について指摘をされましたことは、弊社としても非常に重く受け止めております。
山本が社長に就任して以降、Jリーグを目指して尽力してきたことは事実でありますが、一方で多忙となり過ぎていたことも否めず、社内のコミュニケーションやコンプライアンス遵守という会社経営の基本的な部分に歪みが生じてしまったように思います。これは、山本個人だけの問題ではなく、弊社の組織的な問題と捉えており、今後は新たに見直しました再発防止策を徹底することで、組織体制を強化し、二度と同様の問題が起きないよう取り組んでまいりたいと思います」
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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①雇用上の問題
・給与等支払いに関する点
スタッフが入社前に会社の行事・研修に参加したところ、その対価や交通費・宿泊費等が支払われていないということが判明した。行事・研修への参加は、一般的に業務と判断でき、労働基準法違反ともなりうる行為であるため、会社として今後、給与等支払いへの適切な対応が求められる。
・雇用契約書の締結及び労働条件通知書の交付に関する点
スタッフとの間で雇用契約書の作成・締結がされていないことが判明した。実際雇用後に労使間で雇用内容について認識の相違が生じており、今後是正が必要。
また労働条件通知書が交付されていないことも判明した。労働条件を記した書面の交付は法律上必須とされており、労働基準法違反が疑われるため、直ちに是正が必要。
②職場マネージメント上の問題
山本氏の言動により、スタッフが精神的負担を負っているとの申告がなされていることや、スタッフとのコミュニケーション不足によりもたらされていると思われるスタッフとの行き違いが発生していること等により、スタッフが働きにくさを感じる労働環境になっていることが認められる。
また、上記の通り雇用上の問題が疑われる不安定な雇用関係の中で、スタッフは、自身の雇用について不安・不信を抱きながら就業していたことが窺われ、そのような土壌の中で、本件申告に至っていることに着目する必要がある。
組織運営上、スタッフの心理的安全性の確保や開かれたコミュニケーションの促進の観点から、早期の改善を要する。
■今回の件における処分について
内部調査委員会の報告を受け、11月10日に取締役会を開催し、当社として以下の通り決定しました。
【処分内容】
・取締役会問責決議による厳重注意処分
パワーハラスメントに該当するとまでは認められなかったが、コンプライアンス違反を疑われる行為や職場マネージメントの不足により労働環境の悪化を引き起こしていたことは、スタッフの管理監督責任を負う立場である社長として、労働者の安全配慮義務を果たしていたとは言えないため。
【今後について】
雇用上の問題など、コンプライアンス違反を疑われる行為については、早急に是正するとともに、社内ルールや内部統制の整備をすすめ、職場環境の改善を図ってまいります。
また、合わせて、9月19日付けで決定した再発防止策についても見直しを図り、再度社内で徹底することで、再発防止に取り組んでまいります。
■再発防止策について
【1】組織体制の見直しによるガバナンス強化
・コンプライアンス規程の整備を行ない、ハラスメント行為を許容しないことを全関係者へ周知・啓発を徹底。
・各種決裁手続き、および権限規程等を整備することで管理体制を再構築。
・新たに執行役員制を導入するとともに、GM職を設け、指揮命令系統を見直し。
・スタッフの兼務業務を制限し、担当業務に集中できる環境を整備。
【2】内部・外部相談窓口の設置
・内部相談窓口:総務部、強化部
・外部相談窓口:社外取締役
【3】定期的な面談の実施
・会長、または会長が指名するものが、年5回程度、面前あるいはWeb等にて選手、スタッフと面談を実施。
【4】研修体制の強化
・全選手、スタッフがコンプライアンス研修を年2回程度受講し意識の醸成を図るとともに、Jリーグ主催の研修会にも積極的に参加。
■代表取締役社長山本志穂美氏 コメント
「この度、私に対してスタッフからハラスメントの申し立てにつきまして、多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
調査結果では、パワーハラスメントの認定はされず疑いが晴れて安心致しました。しかし、私の言動等により不安や負担をかけてしまったスタッフには大変申し訳なく思っております。
昨年より、社長に就任しJリーグ参入やJリーグクラブとしての成長を目指して懸命に取り組んで参りました。その中で、体制的に厳しかったこともあり、社長である私自身が率先して業務を行なっていかなければならなかったことに加え、本来の社長業務である会社のマネージメント部分が手薄になっていたように思います。
今後は、二度と同じことが起きないよう、経営経験が豊富な森下会長の下、社外取締役の皆さまや関係者の皆さまからのお力をお借りしながら、より良いクラブ創りを共に行なってまいりたいと思います。
今季は早いもので残り3試合となりました。皆様と創り上げたJリーグクラブを守り抜くため、地域に愛され必要とされるクラブになるべく更に精進して参りますので、皆様の応援を賜われますよう引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」
■代表取締役会長森下勝彦氏 コメント
「この度、弊社代表取締役社長山本志穂美に対して職員から精神的苦痛を受けたと外部相談窓口へ相談があったことにつきまして、前監督の問題から引き続き、ファン・サポーターの皆さま、スポンサーの皆さま、また高知県初のJリーグクラブとして活動を応援してくださっていた高知県民の皆さまや関係者の皆さまには、多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
シーズン終盤の大事な時期にも関わらず、再度、調査に入ったことから、皆さまがサッカーに集中できない環境にしてしまったことを重ねてお詫び申し上げます。早期の調査完了を目指しておりましたが、関係者で非常に慎重に協議・検討を進めてきましたため、報告までお時間いただきましたこと、何卒、ご理解賜れますと幸いです。
今回、内部調査委員会の調査では、パワーハラスメントと認定されるまでには至りませんでしたが、コンプライアンス違反を疑われる事案や職場マネージメント上における問題について指摘をされましたことは、弊社としても非常に重く受け止めております。
山本が社長に就任して以降、Jリーグを目指して尽力してきたことは事実でありますが、一方で多忙となり過ぎていたことも否めず、社内のコミュニケーションやコンプライアンス遵守という会社経営の基本的な部分に歪みが生じてしまったように思います。これは、山本個人だけの問題ではなく、弊社の組織的な問題と捉えており、今後は新たに見直しました再発防止策を徹底することで、組織体制を強化し、二度と同様の問題が起きないよう取り組んでまいりたいと思います」
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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