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「まだスタートラインに立っただけ」広島ユース10番がトップ昇格内定。滲み出る危機感と覚悟。U-17W杯にも気を引き締める

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2025年10月22日

「いずれは超えていかないといけない」

 広島ユースの10番といえば、現在トップチームで活躍するFW加藤陸次樹をはじめ、FW満田誠(ガンバ大阪)、昨年はMF中島洋太朗が背負ったチームを象徴する番号だ。

「中学(広島ジュニアユース)の頃から加藤選手や満田選手の動きやプレーを意識していて、1つの目標にしてやってきました。それに1学年上の中島選手はどんどん活躍して、トップチームの中心になっていく姿を間近で見てきました。そういう刺激は僕の中では大きいと思いますし、今までずっと背中を見てやってきた。僕もそうなりたいと思っていますし、いずれは超えていかないといけないと思っています」

 浮かれているような様子は一切感じなかった。むしろトップ昇格が決まったことで、今の自分に対する危機感とやるべきことへの覚悟が滲み出ていた。同時に1月の早生まれである小林は、11月にカタールで開催されるU-17ワールドカップのメンバーにも選出された。世界の大舞台を見据え、彼は気を引き締めていた。
 
「(9月にチリで開催された)U-20ワールドカップでも(日本代表は)難しい戦いを強いられていました。特に(ラウンド16の)フランス戦は、あれだけボールを握って押し込んでいたのに、最後にああいう形(終了間際に失点)でやられての敗戦を目の当たりにして、細部にこだわらないと勝てないと感じました。U-17ワールドカップも簡単に勝てる相手ではないので、世界の戦いに目の色を変えて臨んでいきたいと思っています」

 1.5列目で違いを生み出せるセカンドアタッカーは、チームの攻撃の拠り所として機能しながら、時にはゴールを引き寄せるプレーを世界でもトップでも見せるべく、目の前の結果に一喜一憂することなく、しっかりと地に足をつけて前に進んでいる。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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